日本教育心理学会第62回総会

講演情報

ポスター発表(学校心理学)

[P] ポスター発表(学校心理学): P262-P325

2020年9月19日~21日

[P308] 教師の共感性および管理意識とスクール・モラールの関連の検討

深沢 和彦1, 河村 茂雄2 (1.東京福祉大学, 2.早稲田大学)

キーワード:教師の管理ビリーフ、教師の共感性、スクール・モラール

本研究では,教師の指導意識のうち,対立概念として捉えられがちな教師の管理意識と共感性が,児童のスクール・モラールとどのように関連するのかを検討することを目的とした。児童のスクール・モラールについて,管理意識3群×認知的共感性3群の2要因の分散分析を行った結果,管理意識に主効果は認められず,共感性の主効果および交互作用が認められた。よって,管理意識が高い教師は,共感性が高い場合には児童のスクール・モラールを高めるが,共感性が低い場合には低める可能性が示唆された。つまり,管理意識の高さは,共感性が低い場合には,イラショナル・ビリーフ(非合理的な信念)となり,児童のスクール・モラールを低くするが,管理意識が高くても,同時に共感性を高くもつ場合には,熱意や積極性のようなラショナル・ビリーフ(合理的な信念)となって,児童のスクール・モラールを高めると考えられた。