日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(学校心理学)

[P] ポスター発表(学校心理学): P262-P325

2020年9月19日~21日

[P310] 小学生のGrit(やり抜く力)とパーソナリティとの関連

藤原 寿幸1, 河村 茂雄2 (1.東京福祉大学, 2.早稲田大学)

Keywords:小学生、Grit(やり抜く力)、パーソナリティ

これまでIQなどの認知的な能力に関心が向けられてきたが,ここ最近の非認知的能力への注目度は高まっている。Duckworth,Peterson,Matthews,&Kelly(2007)は,長期的な目標を達成することができるか,ということに着目し,「長期目標に向けての粘り強さと情熱」がGritであると定義した。本研究では小学生のGritとパーソナリティとの関連を検討し,小学生のGritの特性について検討することを目的とする。小学生のGritと5因子性検査の相関において,協調性(親和・信頼)と統制性(勤勉・自己統制)とは有意な正の相関,情緒性(不安・抑うつ),開放性(空想・非現実性)と外向性(活動および攻撃)との間には有意な負の相関関係がみられた。本研究においては,特に,統制性(「ある一定の価値基準に従って自己を統制する。責任が強く,物事に積極的に取り組もうとする傾向」(曽我,1999))との強い関連がみられ,小学生のGritにはセルフコントロールや責任感,積極性の特性も含まれる可能性が示唆された。