[P313] 小学校段階における同調圧力に対する自己肯定感の影響と居場所感について
キーワード：同調圧力、自己肯定感、居場所感
本研究では小学校段階における同調圧力が自己肯定感や居場所感にどのように影響し，それらの影響に性差があるのかどうかを明らかにすることを目的とする。神奈川県内の公立小学校の5・6年生231名（男子115名，女子116名）を対象に質問紙によってアンケート調査を行った。その結果，同調することによって自己抑圧が強いほど居場所感（自己存在感や充実感）は感じられないが，非自己肯定感（対人緊張・他者評価過敏）は強く感じられることが分かった。つまり同調することが居場所感や自己肯定感にネガティブに作用しているということが示唆された。この結果は公的自己意識（他者から容易に知ることのできる面）の低い人は同調せず，自尊感情が高いという黒沢（1993）の結果を指示していると考えられる。