日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(学校心理学)

[P] ポスター発表(学校心理学): P262-P325

2020年9月19日~21日

[P319] 中学生における過剰適応とレジリエンスが不登校傾向に及ぼす影響(1)

向居 暁1, 小川 莉奈2 (1.県立広島大学, 2.広島大学大学院)

Keywords:不登校傾向、過剰適応、レジリエンス

本研究では,中学生の不登校傾向に影響を与えている要因を,過剰適応とレジリエンスの観点から検討した。そのために,中学生を対象に,中学生用過剰適応尺度(石津, 2006),二次元レジリエンス要因尺度(平野, 2010),不登校傾向尺度(五十嵐・萩原, 2004)から構成される質問紙調査を実施した。主要な結果として,学校よりも家で過ごすことを好む「在宅を希望する不登校傾向」には,資質的レジリエンスの「社交性」や「行動力」が低いことが影響を与えていることが示された。また,学校に行くことに精神的な苦痛を感じたり,身体症状を発症する傾向である「精神・身体症状を伴う不登校傾向」には,「自己不全感」が高いこと(過剰適応の内的側面),「自己理解」が低いこと(獲得的レジリエンス要因),そして,「人から良く思われたい欲求」が高いこと(過剰適応の外的側面)が影響していることが明らかになった。