[P325] 中退問題からみた学校適応
定時制中退者と定時制卒業生へのインタビュー
Keywords:学校適応、中途退学、定時制高校
本研究は,学校不適応となる生徒が多い非進学校,その中でも中退率が高い定時制を卒業・中退した者を対象にインタビュー調査を実施することで,学校へ適応または中退を選択した者の背景を明らかにし,社会的背景の観点から高校における学校適応を検討することを目的とした。その結果,D(中退者)が「職場には,高卒じゃなくても結婚して子どももいて幸せにやってる人がたくさんいるから,Dもわざわざ(学校を)頑張る必要もないかなって」と話していることから,周りの環境が中退を促進させていると考えられる。一方,A(卒業生)は「周り(クラスメート)はたくさん中退してたけど,Aは高校を中退するっていう選択肢はなかったなぁ」と話していることから,Aは中退するクラスメートとは一線を引いていることがわかる。したがって,学校適応を検討する際には生徒の背景も重要であることが考えられる。