日本教育心理学会第62回総会

講演情報

ポスター発表(測定・評価・研究法)

[P] ポスター発表(測定・評価・研究法): P326-P346

2020年9月19日~21日

[P328] 変数のカテゴリ化によって生じる相関係数のバイアスがクロンバックのαへと及ぼす影響

小野島 昂洋, 椎名 乾平 (早稲田大学)

キーワード:相関係数、カテゴリカルデータ、信頼性係数

リッカート尺度のようなカテゴリカルなデータから計算された相関係数には絶対値が減少するバイアスが生じることが古くから指摘されているが,それが後の分析へと与える影響はよく知られていない。本研究は変数のカテゴリ化によって生じた相関係数のバイアスが信頼性係数のクロンバックのαへと及ぼす影響を検討することを目的にモンテカルロシミュレーションを行った。多変量正規分布からn項目の連続変数を発生させた後に,カテゴリ化の前後でクロンバックのαがどの程度低下するのかを記録した。項目数,カテゴリ数,母相関行列における平均相関,項目数に床・天井効果を示す項目が占める割合,サンプルサイズを操作し,1条件につき100回ずつ繰り返した。その結果,項目数・カテゴリ数・母相関行列が高くなるほどに,クロンバックのαのバイアスは減少するが,床・天井効果を示す項目が多い場合には,バイアスはあまり減少しないことが報告された。