日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(測定・評価・研究法)

[P] ポスター発表(測定・評価・研究法): P326-P346

2020年9月19日~21日

[P337] 畳み込みニューラルネットワークによる筆跡の分類におけるデータ拡張の効果

関 陽子 (科学警察研究所)

Keywords:畳み込みニューラルネットワーク、筆跡、データ拡張

畳み込みニューラルネットワークには多くの学習データが必要である。筆跡を筆者ごとに分類する試行に応用するためには,同一筆者が書いた多数の同一字種の筆跡を使用する必要があるが,収集は実際的ではない。そこでデータ拡張と,字種を問わず同一筆者の筆跡を利用する方法により学習データを増やして分類実験を行い,両手法の有効性を検討した。成人男女合計10名から,アルファベット大文字,小文字を各字種5個ずつ収集し,CNNを用いて筆跡を分類した。分類は,・同一字種,・同一字種とデータ拡張,・異なる字種も使用,の3種類を行った。データ拡張の効果は限定的であった。文字種を問わず同一筆者の筆跡を学習データに使用する方法は,データ拡張より効果があった。文字種を問わず同一筆者に一貫した特徴が抽出されたと考えらえるが,本分類実験における同一筆者に一貫した特徴は,文字の大きさや配字など,個々の字画の特徴以外の要素であることが示唆された。