[P340] 臨床実習に対するあがりの原因尺度の作成
項目反応理論を用いて
Keywords:臨床実習、あがり、項目反応理論
本研究の目的は,医療系大学生に対し,臨床実習に対するあがり原因尺度を作成し,尺度項目が持つ測定精度を項目反応理論を用いて検討することであった。対象者は,H大学の医療保健学部生70名であった。第一に,ポリコック相関係数を用いた因子分析により臨床実習に対するあがり原因尺度の一次元性が確認された。第二に,項目反応理論によって臨床実習に対するあがり原因尺度の各項目における項目母数である識別力と困難度の推定を行い,項目反応曲線を確認した。第三に,被験者母数である尺度値の推定を行い,テスト情報曲線とテスト特性曲線を確認した。これらの結果,多くの学生が「あてはまる」と反応し,「全くあてはまらない」と反応する学生がほとんどいないことを示し,どんなに尺度値が低い人でも,何らかのあがり徴候を示すこと,尺度値が,−0.5~1.0当たりの範囲において,この尺度の感度がよい,すなわち特性の違いに敏感に反応することが示された。