第32回環境工学総合シンポジウム2022

特別講演

特別講演① 7月7日 9:30~10:40 第1室
「2050年の日本のエネルギー将来像について」
-東京大学APET将来エネルギービジョン検討会の活動紹介-
講師:坂東 茂(ばんどう しげる)  一般財団法人電力中央研究所

講演概要
2020年10月26日に菅義偉首相(当時)が所信表明演説において、「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言し、12月25日には、経済産業省が「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を発表し、カーボンニュートラルの取り組みにより新たな雇用と成長を生み出すために取り組む国の取り組みを明らかにした。カーボンニュートラルに関連する報道は最近は日々なされており、低炭素化、脱炭素化の流れは国内外で近年大きく強くなっている。東京大学APETでは、システムとハードを融合した、APETならではの日本版2050年電力システムビジョンを提言することを目的に、2018年6月より産学連携の検討会「2050年革新的超長期電力システムビジョン検討会」を立ち上げ、検討を行ってきた。本講演ではその結果について報告する。
 
特別講演② 7月7日 10:50~12:00 第1室
「都市美運動による街づくり」
 -環境問題の自治的な解決ー
講師:石橋 幹己(いしばし みきお)  独立行政法人日本芸術文化振興会

講演概要
環境問題は、はじめから政府や自治体がその課題解決につとめてきたわけではありません。日本の場合、急速に産業交通の発展した20世紀初頭、都市美協会という自治的な組織がその改善に取り組みました。同協会は、芸術的に美しい街を建設するのではなく、住み心地の良い都市を目指し市民の環境意識を高める運動を実践しています。本講演では、戦前の東京の都市美運動がいかに展開したかについて歴史的に検証します。その際、行政主体の都市計画とは別に、市民自身が各方面の研究者と共同しながら、住民本位の立場で都市環境の改善を図ろうとした姿を明らかにします。