実行委員会委員長挨拶
ようこそ、横浜年会へ!!
クルーズ船の横浜寄港を契機とするコロナ禍はこの期に及んでも収束に至らず、参会者みなさまの健康管理上、残念ながら対面での年会開催は実施できなくなりました。
半農半漁村の横浜は幕末1859年に開港、以後海外への窓口としてわが国を代表する国際港湾都市として発展してきました。また、会場校・神奈川大学はみなとみらい地区に昨年4月開設した国際日本学部に歴史民俗学科を設け、本年100周年を迎える付属の日本常民文化研究所、大学院歴史民俗資料学研究科と合わせ、民俗学方面の教育・研究が一貫し、より強固な体制となりました。
そこで、実行委員会では、当地での開催にあたり『海が結ぶ日本と世界』を総合テーマとし、プレシンポジウムでは「横浜から考える越境と接触の民俗」(第915回談話会2021年9月12日・オンライン開催済み)と題し、現代民俗における横浜の地の意味、本シンポジウムでは「渋沢敬三と日本常民文化研究所」をテーマに渋沢敬三の民俗学の紹介に焦点を当てることにしました。
本来ならば、横浜の地に直接足を運んでいただき、シンポジウム、8会場70余の研究発表での質疑応答、情報交換、懇親会など、対面での会員間の交流を深めて欲しいところで実行委員一同は新校舎での場の確保や日本常民文化研究所の活動のパネル展示はじめ、さまざまな「おもてなし」を考え、また関係する実行委員は横浜市に所在する博物館案内など、当地理解の参考資料の用意などを考えていました。横浜開港資料館が所蔵する幕末から明治にかけての「横浜写真」など、いずれかの機会にぜひ参観して欲しいものです。
いずれにしろ、昨年に続きzoomを利用してのオンライン開催となり事務局としても大変残念ですが、遠隔地から簡単にWeb会議に参加できるメリットなども活かし、みなさまの参加を心よりお待ちするものです。
2021年9月27日
第73回日本民俗学会年会実行委員会委員長
佐野 賢治