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[R14-O-2] An apparent polar wander path for southwest Japan records Cenozoic two-phase rotations with respect to the Asian continent
Keywords:Apparent polar wander path, Cretaceous, Southwest Japan, East Asia
西南日本(内帯)の中生代における見かけの古地磁気極移動曲線(APWP)を構築し、大陸地域のそれと比較するために、西南日本の前期白亜紀110 Maの古地磁気極を決定した。古地磁気分析のための試料として、西南日本の中央部、吉備高原に分布する下部白亜系稲倉層の赤色岩が15地点から採取された。このうち11サイトから、アンブロッキング温度が670〜695℃の高温磁化成分が得られ、堆積岩形成時の初生的な特徴的残留磁化であると結論された。これらの初生磁化の方向を既報のものと合わせ、新たな平均磁化方向(D = 79.7°, I = 47.4°, α95 = 6.5°)と、それに対応する西南日本を代表する古地磁気極(24.6° N, 203.1° E, A95 = 6.8°)が得られた。この前期白亜紀の古地磁気極を、後期白亜紀および新生代の古地磁気極と合わせることで、西南日本の新しいAPWPが構築された。このAPWPは110-70 Maの間、極位置が静止していることを示しており、この地域に明瞭な変動が生じていなかったことを示唆している。この極移動の傾向は、同時代のユーラシア大陸のAPWPに見られる傾向と似ている。この静止状態の後、新生代に2つの大きな極移動トラックが存在する。これらのトラックは、新生代に2回発生した西南日本の時計回りの地殻変動と解釈される。1回目の地殻変動は古第三紀に生じており、中国東北部・遼東半島・朝鮮半島・西南日本から構成される東タンルーブロックの回転運動として生じた。2回目の変動は、新第三紀に日本海を形成する回転運動として生じており、このとき時計回りの回転を被ったのは西南日本のみであった。新生代のアジア大陸東縁部における多段階のリフティング活動が、本研究で観察された地殻変動の原因であると考えられる。この間欠的なリフティング活動は、中生代にアジア大陸とヨーロッパ-シベリア大陸が衝突して巨大なユーラシア大陸が成長したことにより誘発された可能性がある。