8:00 AM - 8:15 AM
[R22-O-1] Correlation of Cretaceous-Paleogene boundary interval in the circum-Australian basins and plateaus
Keywords:Cretaceous/Paleogene boundary, Os isotope, Eastern Gondowana
白亜紀‐古第三紀(K-Pg)境界は,チクシュルブ小惑星衝突とそれに由来する白金族元素の地球規模での堆積で特徴づけられる.白金族元素のうち,特にイリジウムやオスミウムの濃度とオスミウム放射性起源同位体組成は世界各地のK-Pg層の認定に重要な役割を果たし,そのパターンは堆積層の連続性を評価する指標にもなる.K-Pg境界に限って.これまで,南極海や南大西洋などではオスミウム同位体記録を基にK-Pg境界層の連続性が示されてきた.本研究では,オーストラリア東方沖Lord Howe Rise の Site 208 と南西沖 Mentelle Basin の Site U1614C の掘削コアで報告されている K-Pg 境界層のオスミウム同位体記録を基に,その連続性や岩相変化との関連について議論する.また,他のサイトとの対比を行い,南半球高緯度,特に東ゴンドワナ周辺におけるK-Pg層の特徴を検討する.
DSDP Site 208 は Lord Howe Rise 北部に位置し,最上部白亜系までが掘削回収された.厚いチョークに挟まれる厚さ約1mの珪質堆積物の基底部(海底下576.8m)がK-Pg境界であることがナノ化石層序から明らかになっている.この層準ではオスミウム同位体比の一時的な低下が認められるものの,その濃度は低く,K-Pg 境界層はハイエイタスで欠如していると思われる.それでもハイエイタスは短期的で,すぐに珪質堆積物の堆積が始まる.
Site U1514 は Mentelle Basin の深部に位置する.掘削されたコアは新生代と白亜紀の堆積物からなる.海底下393.5 m にK-Pg境界が位置することがナノ化石層序から明らかになった.この層準は,後期白亜紀マーストリヒチアンのチョークと暁新世ダニアンの粘土岩の境界に位置し,激しい生物擾乱で特徴づけられる.この層準では明瞭なイリジウムやオスミウム濃度の低下が認められ,オスミウム同位体比もまた明瞭な低下を示す.この白金族元素の地球化学的特徴はK-Pg境界の特徴をほぼ完全に有しており,K-Pg境界層が連続的に堆積したことが示された.
DSDP Site 208 は Lord Howe Rise 北部に位置し,最上部白亜系までが掘削回収された.厚いチョークに挟まれる厚さ約1mの珪質堆積物の基底部(海底下576.8m)がK-Pg境界であることがナノ化石層序から明らかになっている.この層準ではオスミウム同位体比の一時的な低下が認められるものの,その濃度は低く,K-Pg 境界層はハイエイタスで欠如していると思われる.それでもハイエイタスは短期的で,すぐに珪質堆積物の堆積が始まる.
Site U1514 は Mentelle Basin の深部に位置する.掘削されたコアは新生代と白亜紀の堆積物からなる.海底下393.5 m にK-Pg境界が位置することがナノ化石層序から明らかになった.この層準は,後期白亜紀マーストリヒチアンのチョークと暁新世ダニアンの粘土岩の境界に位置し,激しい生物擾乱で特徴づけられる.この層準では明瞭なイリジウムやオスミウム濃度の低下が認められ,オスミウム同位体比もまた明瞭な低下を示す.この白金族元素の地球化学的特徴はK-Pg境界の特徴をほぼ完全に有しており,K-Pg境界層が連続的に堆積したことが示された.