128th JGS: 2021

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Oral

R8 [Regular Session]Marine geology

[3ch313-21] R8 [Regular Session]Marine geology

Mon. Sep 6, 2021 1:00 PM - 3:30 PM ch3 (ch3)

Chiar:Yoshiaki Suzuki, Yasuhiko Ohara

3:00 PM - 3:15 PM

[R8-O-8] A report of YK20-14S/YK21-07S scientific cruises to Petit-spot volcanic fields, Tohoku-Oki, Japan

*Norikatsu Akizawa1, Naoto Hirano2, Shiki Machida3, Akira Ishikawa4, Gen Shimoda5, Kazutaka Yasukawa6, Kenji Matsuzaki1, Chiori Tamura1, Junji Kaneko7, Onboard Science Party (1. Atmosphere and Ocean Research Institute, The Univ. Tokyo, 2. Tohoku Univ., 3. Chiba Tech., 4. Tokyo Tech., 5. AIST, 6. School of Engeneering, The Univ. Tokyo, 7. JAMSTEC)

Keywords:Petit spot, Mantle xenolith, Peridotite, SHINKAI6500

プチスポット火山を作るマグマは、60 kmより深部で形成されたとされる(Machida et al., 2017 Nature Communications, 8, 14302)。そのマグマ生成の規模はホットスポットよりも小さく、マグマ生成に伴う熱的な擾乱が少ないことが期待される。そのため、プチスポットマグマが地表に運んでくるマントルのカケラであるマントル捕獲岩は、地球深部マントルの化学組成や流動様式に加えて熱状態に関する情報を引き出すのに適した研究対象であると言える。しかし、プチスポットで採取されるマントル捕獲岩はサイズが最も大きいもので数cm程度しかなく、採取される量も少ないため研究を遂行する上で非常に困難な状況であった。実際、これまでにプチスポットマントル捕獲岩を対象とした研究例は少なく、その現状打破が望まれていた。

そこで、我々は2020年10月9-16日に実施されたYK20-14S次航海及び、2021年5月1-8日に実施されたYK 21-07S次航海の2つの航海を通してプチスポットマントル捕獲岩採取を試みた。 YK20-14S次航海では、Hirano et al. (2006: Science, 313, 1426–1428)でSite Aとされる日本海溝近辺のサイトでしんかい6500を用いた潜航を2回実施した(ダイブ番号:6K1564、6K1565)(図)。その結果、長径3 cm程の大きさに達するものを含めて数10個のマントル捕獲岩を採取することに成功した。また、YK 21-07S次航海では、Site Aより東、アウターライズ手前のSite Bでしんかい6500を用いた潜航を1回実施した(ダイブ番号:6K1586)(図)。その結果、やはり長径3 cmに達するものを含めて多くのマントル捕獲岩を採取することに成功した。

現在、上記2つの研究航海で採取されたマントル捕獲岩を使用した研究を遂行している。今後、個々の研究成果が出てくると期待されるが、本発表ではその前段階として研究航海の概要とどのようなサンプルが採取されたのか紹介する。また、基本的な岩石記載・鉱物化学組成を合わせてプチスポットマントル捕獲岩の紹介を行う。

図 プチスポットのサイトを示した地形図。Site AとSite Bで採取されたマントル捕獲岩を対象として発表を行う。