4:00 PM - 6:30 PM
[R5-P-11] Correlation of Miocene igneous rocks in the Kii Peninsula, Japan
Keywords:kii Peninsula, Miocene, Igneous rocks, correlation
紀伊半島の中新世火成岩類は半島南端の潮岬火成複合岩類[1]から北に,熊野酸性岩類[2],大峯花崗岩質岩[3],室生火砕流堆積物[4],二上層群[5, 6],および,奈良市春日山の地獄谷・春日山累層[7]など,各地に点在する[8, 9].これらの数値年代は15~13 Maの短期間に集中している[10など].また,層序,貫入関係および,岩石学的な特徴をもとに対比が進められてきた(Figure).ここでは層序対比を進めるうえで,広域テフラとして室生火砕流堆積物が位置づけられることと,火山岩に中奥火砕岩岩脈[11]との前後関係が明らかになったものがあることを述べる.
室生火砕流堆積物は,基底部に含まれる異質岩片からジュラ紀付加体分布域に火道を形成した,大台カルデラ[12]が供給源の一つとして推定されている[13].中奥火砕岩岩脈は大台カルデラの噴出火道と位置づけられており[11],火砕岩岩脈と室生火砕流堆積物の基底部に含まれるアパタイトの微量元素の特徴が共通する[14]ことでも両者の対比は支持される.また,室生火砕流堆積物は玉手山凝灰岩,石仏凝灰岩に対比されている[15; 16など].
中奥火砕岩岩脈は玄武岩‐流紋岩複合岩脈と玄武岩質単純岩脈(武木弧状岩脈群[12])に貫入される[17].一方,中奥火砕岩岩脈は壁岩を構成する砕屑岩の岩片ほかに,安山岩,玄武岩などの本質岩片が含まれる[18].また,火砕岩岩脈が珪長質岩脈に貫入する地点も認められる.さらに,大峯カルデラの南方では花崗岩岩体に火砕岩岩脈が貫入する[19].
このように,玄武岩・安山岩質の火山活動は室生火砕流堆積物に対比されるテフラ(大台‐室生テフラ:Od-Mrと仮称)を挟んで,前後の2層準で認められる.
引用文献:[1]三宅,1981,地質雑,87,383;[2]Miura, D., JVGR, 92, 300;[3]村田,1982,岩鉱,77,267;[4]西岡ほか,1998,地調図幅;[5] 森本ほか,1953,地球科学,11,1;[6]二上山地学研究会 ,1986,地球科学,40,89;[7]佐藤ほか,2013,大阪自然史博,67,27;[8]佐藤,1985,地団研専報,29,143;[ 9]和田・荒木,1997,奈良教大,46,1;[10]星ほか,2003,地質雑,109,139;[11]和田・岩野,2001,火山,46,107;[12]佐藤・大和大峯研究G,2006,地球科学,60,403;[13] 室生団研・八尾(2008)地球科学,62,97;[14]高嶋ほか,2016,地質学会123大会要旨;[15]横田ほか,地球科学,32,133;[16]新正ほか,2010,地質雑,116,447;[17]佐藤,2013,火山学会講演要旨,83;[18]和田ほか,2004,奈良教大自然環境,6,7;[19]和田・長澤,2008,月刊地球号外,60,91.
室生火砕流堆積物は,基底部に含まれる異質岩片からジュラ紀付加体分布域に火道を形成した,大台カルデラ[12]が供給源の一つとして推定されている[13].中奥火砕岩岩脈は大台カルデラの噴出火道と位置づけられており[11],火砕岩岩脈と室生火砕流堆積物の基底部に含まれるアパタイトの微量元素の特徴が共通する[14]ことでも両者の対比は支持される.また,室生火砕流堆積物は玉手山凝灰岩,石仏凝灰岩に対比されている[15; 16など].
中奥火砕岩岩脈は玄武岩‐流紋岩複合岩脈と玄武岩質単純岩脈(武木弧状岩脈群[12])に貫入される[17].一方,中奥火砕岩岩脈は壁岩を構成する砕屑岩の岩片ほかに,安山岩,玄武岩などの本質岩片が含まれる[18].また,火砕岩岩脈が珪長質岩脈に貫入する地点も認められる.さらに,大峯カルデラの南方では花崗岩岩体に火砕岩岩脈が貫入する[19].
このように,玄武岩・安山岩質の火山活動は室生火砕流堆積物に対比されるテフラ(大台‐室生テフラ:Od-Mrと仮称)を挟んで,前後の2層準で認められる.
引用文献:[1]三宅,1981,地質雑,87,383;[2]Miura, D., JVGR, 92, 300;[3]村田,1982,岩鉱,77,267;[4]西岡ほか,1998,地調図幅;[5] 森本ほか,1953,地球科学,11,1;[6]二上山地学研究会 ,1986,地球科学,40,89;[7]佐藤ほか,2013,大阪自然史博,67,27;[8]佐藤,1985,地団研専報,29,143;[ 9]和田・荒木,1997,奈良教大,46,1;[10]星ほか,2003,地質雑,109,139;[11]和田・岩野,2001,火山,46,107;[12]佐藤・大和大峯研究G,2006,地球科学,60,403;[13] 室生団研・八尾(2008)地球科学,62,97;[14]高嶋ほか,2016,地質学会123大会要旨;[15]横田ほか,地球科学,32,133;[16]新正ほか,2010,地質雑,116,447;[17]佐藤,2013,火山学会講演要旨,83;[18]和田ほか,2004,奈良教大自然環境,6,7;[19]和田・長澤,2008,月刊地球号外,60,91.