2:15 PM - 2:30 PM
[G4-O-4] Outreach activities targeting teachers
–Kobe Geology and Topography Study Group/Kobe Geo study Meeting–
Keywords:Outreach activities, teachers, Geology and Topography, Study, Geoscience Education, Kobe
【活動の背景】
中学校学習指導要領(平成29年告示)によると,「大地の成り立ちと変化」の学習の中では,「身近な地形や地層,岩石などの観察を通して,土地の成り立ちや広がり,構成物などについて理解するとともに,観察器具の操作,記録の仕方などの技能を身に付けること」とあり,「身近な地形や地層,岩石などの観察」については,学校内外の地形や地層,岩石などを観察する活動とすることとある.しかし,日々の授業の中で身近な地形や地層のフィールド調査をすることは難しい.
2018年の神戸市中学校教育研究会理科部会の調査では,中学校教員の中で地学を専門とする教員は8.9%,地学分野を指導することを苦手と考えている教員は,50.7%であった.また,兵庫県南部地震を体験している教員も半分以下となり,神戸で起こった過去の自然災害(水害・地震など)を授業で語れないだけでなく,神戸の地質・地形について理解していない教員が多いことがわかっている.
六甲山は断層によってできた山であるが,六甲山はマグマ由来の花崗岩でできていると説明をすれば,六甲山は火山だと思いこむ生徒もいる.一般市民も同じで,「私たちのすむ神戸」にある山であるにもかかわらず,その生い立ちはあまり理解されていない.
1970年ごろから,地球科学の世界では大きな意識変革「プレートテクトニクス革命」・「放散虫革命」などがあった.このころ神戸では,藤田和夫先生・前田保夫先生・觜本格先生らにより,神戸地域の地質について詳しい調査が行われ,数多くの研究の成果が発表された(5万分の1図幅「神戸地域(1983),須磨地域(1984)」,神戸市教育研究所発行の神戸の自然シリーズ「六甲の断層をさぐる(1979)」「神戸の地層を読む 1(1983)」「神戸層群の化石を掘る(1987)」「神戸の地層を読む 2(1989)」「アカシ象発掘記(1988)」「六甲山はどうしてできたか(1989)」など).現在でも神戸の地質を考える際の基盤となっている.
神戸は昔から自然災害による被害を受けてきている. 「地震災害(1995年兵庫県南部地震)」,「水害(652年から1938年までに72回の洪水・土砂災害が発生.近年の水害としては,阪神大水害(1938)がもっとも大きい). このような自然の脅威を防ぐことはできないが,災害を最小限にすることはできる.また,防災教育の基礎としても,地質や地形を正しく理解しておくことは大切である.
【活動の趣旨】
① 神戸で理科教育に携わる教員は,神戸の地質や地形を正しく理解しておきたい.そのためには『学び』が必要であるが,文献や論文から学ぶだけでなく,専門家らのレクチャーや会員相互によるディスカッション,フィールドワークを通して『深い学び』につなげる.
② 「学び」を大切にしていく.学ぶ(学習)は,能動的に学んで身につけることである(勉強は,強く勉めることである).この会への自発的な参加が,「学び」の姿勢の表れである.
③ 元神戸市中学校理科教員の觜本格先生(かがく教育研究所長,元神戸親和女子大学教授)は,前述の通り神戸の地質・地形についての草分け的存在である.本会では学術考証役としてご指導いただく.
【活動の内容】・・・月に1回程度実施
① 学習会(参加者の発表等)
② フィールド調査
【これからの展望】
① 神戸の理科教員として知っておいてほしいジオサイトを整理した上で資料を提示し,効果的な指導法や教材化の研究を進めたい.GIGAスクール下で,地質・地形情報のWebメディアを構築し,各ジオサイトの写真動画を自由に閲覧できるという教材の利用法についての研究も進める.
② 防災教育の観点からのアプローチも取り入れ,科学的リテラシーを高める教材化の研究にもつなげる.
中学校学習指導要領(平成29年告示)によると,「大地の成り立ちと変化」の学習の中では,「身近な地形や地層,岩石などの観察を通して,土地の成り立ちや広がり,構成物などについて理解するとともに,観察器具の操作,記録の仕方などの技能を身に付けること」とあり,「身近な地形や地層,岩石などの観察」については,学校内外の地形や地層,岩石などを観察する活動とすることとある.しかし,日々の授業の中で身近な地形や地層のフィールド調査をすることは難しい.
2018年の神戸市中学校教育研究会理科部会の調査では,中学校教員の中で地学を専門とする教員は8.9%,地学分野を指導することを苦手と考えている教員は,50.7%であった.また,兵庫県南部地震を体験している教員も半分以下となり,神戸で起こった過去の自然災害(水害・地震など)を授業で語れないだけでなく,神戸の地質・地形について理解していない教員が多いことがわかっている.
六甲山は断層によってできた山であるが,六甲山はマグマ由来の花崗岩でできていると説明をすれば,六甲山は火山だと思いこむ生徒もいる.一般市民も同じで,「私たちのすむ神戸」にある山であるにもかかわらず,その生い立ちはあまり理解されていない.
1970年ごろから,地球科学の世界では大きな意識変革「プレートテクトニクス革命」・「放散虫革命」などがあった.このころ神戸では,藤田和夫先生・前田保夫先生・觜本格先生らにより,神戸地域の地質について詳しい調査が行われ,数多くの研究の成果が発表された(5万分の1図幅「神戸地域(1983),須磨地域(1984)」,神戸市教育研究所発行の神戸の自然シリーズ「六甲の断層をさぐる(1979)」「神戸の地層を読む 1(1983)」「神戸層群の化石を掘る(1987)」「神戸の地層を読む 2(1989)」「アカシ象発掘記(1988)」「六甲山はどうしてできたか(1989)」など).現在でも神戸の地質を考える際の基盤となっている.
神戸は昔から自然災害による被害を受けてきている. 「地震災害(1995年兵庫県南部地震)」,「水害(652年から1938年までに72回の洪水・土砂災害が発生.近年の水害としては,阪神大水害(1938)がもっとも大きい). このような自然の脅威を防ぐことはできないが,災害を最小限にすることはできる.また,防災教育の基礎としても,地質や地形を正しく理解しておくことは大切である.
【活動の趣旨】
① 神戸で理科教育に携わる教員は,神戸の地質や地形を正しく理解しておきたい.そのためには『学び』が必要であるが,文献や論文から学ぶだけでなく,専門家らのレクチャーや会員相互によるディスカッション,フィールドワークを通して『深い学び』につなげる.
② 「学び」を大切にしていく.学ぶ(学習)は,能動的に学んで身につけることである(勉強は,強く勉めることである).この会への自発的な参加が,「学び」の姿勢の表れである.
③ 元神戸市中学校理科教員の觜本格先生(かがく教育研究所長,元神戸親和女子大学教授)は,前述の通り神戸の地質・地形についての草分け的存在である.本会では学術考証役としてご指導いただく.
【活動の内容】・・・月に1回程度実施
① 学習会(参加者の発表等)
② フィールド調査
【これからの展望】
① 神戸の理科教員として知っておいてほしいジオサイトを整理した上で資料を提示し,効果的な指導法や教材化の研究を進めたい.GIGAスクール下で,地質・地形情報のWebメディアを構築し,各ジオサイトの写真動画を自由に閲覧できるという教材の利用法についての研究も進める.
② 防災教育の観点からのアプローチも取り入れ,科学的リテラシーを高める教材化の研究にもつなげる.