5:00 PM - 5:15 PM
[T1-O-31] Short-wavelength Bouguer anomaly and folding with disclination in the northeastern Japan
Keywords:Northeastern Japan arc, Gravity anomaly, Active fault, Folding, Disclination
3 Ma 以降から活発な圧縮応力場が伴う東北日本弧において、断層運動をはじめとする地殻変動と短波(< 160 km) ブーゲ重力異常の間に特徴的な関係があることが報告されている[1-4]。先行研究によると、活断層が負の異常領域に分布する傾向があり、それは断層転位の蓄積によるクラックや体積歪に起因していると考えられている[1-4]。特に、活発な活断層や複褶曲を伴う歪集中帯では、断層転位の蓄積が負の異常帯を形成し、東北日本弧全体の短波ブーゲ重力異常のパターンに影響を与えている可能性が指摘されている[4]。本発表では、この概念をさらに拡張し、構造欠陥の一つである回位を伴う褶曲の幾何学的観点から東北日本弧全体に沿った正負の異常帯について議論する。
褶曲は、部分空間(例えば、3次元ユークリッド空間)から包括空間(例えば、3次元リーマン空間)へのはみだしを定義するオイラー・スカウテン曲率によって記述される[5]。地震の発生密度は地殻の塑性的な褶曲変形の曲率(オイラー・スカウテン曲率)に比例し、断層転位もその曲率が大きい地域に蓄積する[6-8]。断層転位の列(蓄積)は回位と等価であり、回位密度はオイラー・スカウテン曲率から導かれるリーマン・クリストッフェル曲率から表現される[9, 10]。一対の回位を伴う角ばった褶曲はキンク褶曲と呼ばれ、回位周辺に質量損失領域や質量過剰領域を形成する[11]。東北日本弧における歪集中帯では、複数の断層に囲まれた起伏のある領域(断層ブロック)が確認されており[12]、それらはキンク褶曲とみなすことができる。この考えに基づくと、地殻内の回位の存在により、質量損失域による負の異常領域だけでなく、質量過剰域による正の異常領域が東北日本弧に沿って存在すると推察される。故に、東北日本弧に沿った重力異常の正負の異常帯は、回位が伴う地殻の幾何学的な状態を反映していると考えられる。
[1]萩原, 1979測地学会誌, [2]萩原, 1980測地学会誌, [3]Yamasaki & Nagahama, 1999 Acta Geophys. Pol. [4]Hirano et al., 2022 Terra Nova [5] Schouten, 1995 Ricci-Calculus [6] Nagumo, 1969 Bull. Earthq. Res. Ins. [7]Nagahama, 1996 Geol. Rundsch. [8] Kikuchi et al., 2014Episodes [9]Kondo, 1952 Proc. 2nd Japan Nat. Congr. Applied Mech. [10] Kleinert, 2011 Electron. J. Theor. Phys. [11]大崎ほか, 2011第60回理論応用力学講演会 [12]Awata & Kakimi, 1985 Earthq. Predict. Res.
褶曲は、部分空間(例えば、3次元ユークリッド空間)から包括空間(例えば、3次元リーマン空間)へのはみだしを定義するオイラー・スカウテン曲率によって記述される[5]。地震の発生密度は地殻の塑性的な褶曲変形の曲率(オイラー・スカウテン曲率)に比例し、断層転位もその曲率が大きい地域に蓄積する[6-8]。断層転位の列(蓄積)は回位と等価であり、回位密度はオイラー・スカウテン曲率から導かれるリーマン・クリストッフェル曲率から表現される[9, 10]。一対の回位を伴う角ばった褶曲はキンク褶曲と呼ばれ、回位周辺に質量損失領域や質量過剰領域を形成する[11]。東北日本弧における歪集中帯では、複数の断層に囲まれた起伏のある領域(断層ブロック)が確認されており[12]、それらはキンク褶曲とみなすことができる。この考えに基づくと、地殻内の回位の存在により、質量損失域による負の異常領域だけでなく、質量過剰域による正の異常領域が東北日本弧に沿って存在すると推察される。故に、東北日本弧に沿った重力異常の正負の異常帯は、回位が伴う地殻の幾何学的な状態を反映していると考えられる。
[1]萩原, 1979測地学会誌, [2]萩原, 1980測地学会誌, [3]Yamasaki & Nagahama, 1999 Acta Geophys. Pol. [4]Hirano et al., 2022 Terra Nova [5] Schouten, 1995 Ricci-Calculus [6] Nagumo, 1969 Bull. Earthq. Res. Ins. [7]Nagahama, 1996 Geol. Rundsch. [8] Kikuchi et al., 2014Episodes [9]Kondo, 1952 Proc. 2nd Japan Nat. Congr. Applied Mech. [10] Kleinert, 2011 Electron. J. Theor. Phys. [11]大崎ほか, 2011第60回理論応用力学講演会 [12]Awata & Kakimi, 1985 Earthq. Predict. Res.