10:00 AM - 10:15 AM
[T3-O-1] Utilization of ChatGPT for Geoparks: Possibilities and Challenges
Keywords:geopark, ChatGPT
1.はじめに
ChatGPTは2022年11月に公開された対話型の言語生成モデルで、公開直後からユーザーが爆発的に増えた。1年もたたない現在、その利用について教育関係・行政をはじめ様々な分野で賛否両論が噴出している。すでに一部では、具体的な活用も検討されている。地質学界もその埒外ではない。当初使われたエンジンは、GPT3.5であったが、その後より高度な機能をそなえたGPT4になっている。本講演では、後者に基づいたChatGPT4(有料)を使いジオパークを対象として、その利用の可能性と課題について実験を行った結果を発表する。
2.ChatGPTに講演プロットを作成させる
ChatGPTを使って、15分間の講演のプロットを作成するとともに講演要旨(400字)を作成してみた。プロットは分単位の網羅的なものが作成された。個々の項目についてChatGPTに問うと、一般的な項目については教科書的な回答を提示するが、具体的なケーススタディーについては満足な回答は得られなかった。参考のためにChatGPTが作成した要旨を下に示す。『この講演では、OpenAIのChatGPTをジオパークの情報提供、教育、および持続可能な開発に活用する方法について探ります。ジオパークは、自然と文化遺産を保護し、教育と地域開発を促進するための重要なプラットフォームです。初めに、ChatGPTの基本的な特性と一般的な利用法について紹介します。次に、ジオパークの重要性、定義、および目的に焦点を当て、教育と持続可能な開発に及ぼす影響を解説します。ChatGPTのジオパークでの応用範囲を深堀りし、情報提供、教育活動、および持続可能な開発支援の各領域での活用法を説明します。情報提供では、訪問者へのリアルタイムな情報を提供する手段として、教育活動では、学校やコミュニティグループ向けのプログラムに対話型学習を組み込む手法として、持続可能な開発支援では、地域住民とのコミュニケーションを強化し、研究とデータ収集を通じて開発プランを策定する手法としてChatGPTを活用します。具体的な活用例として、日本、ヨーロッパ、および南米のジオパークでのChatGPTの使用ケースを紹介します。これらは、インタラクティブなガイドシステム、教育プログラム、多言語対応の情報提供サービスなど、多岐にわたります。最後に、ChatGPTの活用における現在の課題、言語の限界、カスタマイズと更新の必要性などを考察し、ジオパークでの活用の将来展望について議論します。これにより、ジオパークが持続可能性を高め、教育的価値を向上させるためのAIの活用を探求します。』
3.ジオパーク新規申請書作成への利用
現在ジオパークになっていない仮想の地域を例にして申請書の作成を試みた。概略的なプロットは作成するが、具体的なものは作成できない。なお、下記のような注意書きが添えられていた。『注意:実際の申請プロセスは、具体的な手続きや要件が異なる可能性があるため、関連する公式機関に問い合わせることをお勧めします。』
4.個別ジオパークの評価への利用
ジオパークにおいては、4年ごとの再認定が必要である。再認定に関連したChatGPTの活用について検討してみた。2018年に認定取り消しになった「茨城県北ジオパーク」について試してみた。回答は以下の通りであった。現時点では、評価に関わるものについては十分な回答はえられないと思われる。『私の知識が2021年9月までのものであるため、それ以降の出来事については把握しておりません。茨城県北ジオパークの認定取り消しについての情報は私のデータベースには含まれていないため、最新の情報を得るために、公式なジオパークのウェブサイトやニュースソースを確認していただくことをお勧めします。ジオパークの認定取り消しは一般的に、管理、保護、教育、持続可能性など、ジオパークの基準を満たしていない場合に行われることがあります。』
5.まとめ
ジオパークに関してネット等で公表されているデータに基づく文章の生成については、かなりよくまとまった回答が得られる。一方、個々のジオパークに関わるような具体的な事柄については、効果的な回答は得られなかった。現時点での結論としては、一般的な知識に関するまとめについてはChatGPTの活用はかなり有効であるが、具体的な事柄や評価を伴う事柄については利用は難しい。
ChatGPTは2022年11月に公開された対話型の言語生成モデルで、公開直後からユーザーが爆発的に増えた。1年もたたない現在、その利用について教育関係・行政をはじめ様々な分野で賛否両論が噴出している。すでに一部では、具体的な活用も検討されている。地質学界もその埒外ではない。当初使われたエンジンは、GPT3.5であったが、その後より高度な機能をそなえたGPT4になっている。本講演では、後者に基づいたChatGPT4(有料)を使いジオパークを対象として、その利用の可能性と課題について実験を行った結果を発表する。
2.ChatGPTに講演プロットを作成させる
ChatGPTを使って、15分間の講演のプロットを作成するとともに講演要旨(400字)を作成してみた。プロットは分単位の網羅的なものが作成された。個々の項目についてChatGPTに問うと、一般的な項目については教科書的な回答を提示するが、具体的なケーススタディーについては満足な回答は得られなかった。参考のためにChatGPTが作成した要旨を下に示す。『この講演では、OpenAIのChatGPTをジオパークの情報提供、教育、および持続可能な開発に活用する方法について探ります。ジオパークは、自然と文化遺産を保護し、教育と地域開発を促進するための重要なプラットフォームです。初めに、ChatGPTの基本的な特性と一般的な利用法について紹介します。次に、ジオパークの重要性、定義、および目的に焦点を当て、教育と持続可能な開発に及ぼす影響を解説します。ChatGPTのジオパークでの応用範囲を深堀りし、情報提供、教育活動、および持続可能な開発支援の各領域での活用法を説明します。情報提供では、訪問者へのリアルタイムな情報を提供する手段として、教育活動では、学校やコミュニティグループ向けのプログラムに対話型学習を組み込む手法として、持続可能な開発支援では、地域住民とのコミュニケーションを強化し、研究とデータ収集を通じて開発プランを策定する手法としてChatGPTを活用します。具体的な活用例として、日本、ヨーロッパ、および南米のジオパークでのChatGPTの使用ケースを紹介します。これらは、インタラクティブなガイドシステム、教育プログラム、多言語対応の情報提供サービスなど、多岐にわたります。最後に、ChatGPTの活用における現在の課題、言語の限界、カスタマイズと更新の必要性などを考察し、ジオパークでの活用の将来展望について議論します。これにより、ジオパークが持続可能性を高め、教育的価値を向上させるためのAIの活用を探求します。』
3.ジオパーク新規申請書作成への利用
現在ジオパークになっていない仮想の地域を例にして申請書の作成を試みた。概略的なプロットは作成するが、具体的なものは作成できない。なお、下記のような注意書きが添えられていた。『注意:実際の申請プロセスは、具体的な手続きや要件が異なる可能性があるため、関連する公式機関に問い合わせることをお勧めします。』
4.個別ジオパークの評価への利用
ジオパークにおいては、4年ごとの再認定が必要である。再認定に関連したChatGPTの活用について検討してみた。2018年に認定取り消しになった「茨城県北ジオパーク」について試してみた。回答は以下の通りであった。現時点では、評価に関わるものについては十分な回答はえられないと思われる。『私の知識が2021年9月までのものであるため、それ以降の出来事については把握しておりません。茨城県北ジオパークの認定取り消しについての情報は私のデータベースには含まれていないため、最新の情報を得るために、公式なジオパークのウェブサイトやニュースソースを確認していただくことをお勧めします。ジオパークの認定取り消しは一般的に、管理、保護、教育、持続可能性など、ジオパークの基準を満たしていない場合に行われることがあります。』
5.まとめ
ジオパークに関してネット等で公表されているデータに基づく文章の生成については、かなりよくまとまった回答が得られる。一方、個々のジオパークに関わるような具体的な事柄については、効果的な回答は得られなかった。現時点での結論としては、一般的な知識に関するまとめについてはChatGPTの活用はかなり有効であるが、具体的な事柄や評価を伴う事柄については利用は難しい。