130th Annual Meeting of the Geological Society of Japan

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J1. Junior Session

[1poster69-93] J1. Junior Session

Sun. Sep 17, 2023 1:30 PM - 3:00 PM Jr._poster (Yoshida-South Campus Academic Center Bldg.)

[J1-P-17] History and Geology in Hino, Fushimi Ward,Kyoto City, Kyoto Prefecturere

*Grobal Science Club Rock Team Kyoto Prefectual Momoyama High School1 (1. Kyoto Prefectual Momoyama High School Grobal Science Club Rock Team)

研究者氏名:畑 友馨,柳野こと,門戸春汰郎,中 ふうな,加藤亜依,渡部遥人

私たちは、京都府京都市伏見区日野の山の歴史と地質について調査を行った。昨年は日野の山で見られる矢穴の空いた岩石について、どのように運搬されたのか考察をした。今年度は日野の山にある史跡「方丈石」について調査している。こうした調査の結果はパンフレットにまとめ、地域の方に配り、地質や歴史・文化に親しんでもらうことを研究活動の目的としている。

日野地区は丹波帯I型地層群に位置していることが知られている。丹波帯I型地層群にはチャートや珪質泥岩、頁岩が分布している。歴史的な面では 、日野の山は『方丈記』の著者である鴨長明が住んでいたとされる方丈庵があり、その方丈庵の基礎となった方丈石があることで知られている。日野の山は地域の人も親しまれており、方丈石も地域の人に身近な存在となっている。また地域の人によると、日野の山には日野川と合場川の二つの川が流れており、縄文時代に文明が起こったとされている。地質学的にも歴史的にも日野の山は歴史深い山であるといえる。

昨年は日野地区にある矢穴石について研究した。矢穴石とは昔、石垣の石材をとる際に楔を打ち込んで岩を割っており、その楔の跡がある石のことである。これまでの研究によって、日野地区における矢穴石の形から矢穴の彫られた時代について分かった。文禄時代のものとみられる広く、浅く、丸い特徴がある矢穴と慶長時代のものとみられる深く、四角い特徴がある矢穴があった。文禄時代の矢穴がある石は慶長時代の矢穴がある石よりも大きい。また、その内のほとんどが泥岩とみられる。伏見指月城の石垣の石の種類の―部と一致するため、実際に石垣の石として使うために掘られたと思われる。切り出されるはずの岩の重さを一つ推定したところ、4.9tという値が得られた。その時代に用いられていた「ころ」で運搬可能な重さと一致したため、ころを使って運搬していたのではないかと考えられる。

今年度は方丈石について調査をしている。方丈石周辺から岩石を採集し、肉眼による観察をし、岩石種を調べた。方丈石はチャートでできていることが分かった。合わせて周辺の地質調査も行った。周辺にはチャートが多くみられた。方丈石に含まれる放散虫化石を調べ、方丈石の年代を明らかにしたい。この結果をまとめ、方丈石に訪れた人々が方丈庵の年代(人の時間)と岩石の年代(地球の時間)を感じ、訪れた人が地球のダイナミックさを体感することのできる機会をつくりたい。

キーワード:京都市伏見区日野、丹波帯、歴史、地質、岩石