130th Annual Meeting of the Geological Society of Japan

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Session Oral

T11[Topic Session]Frontier of research on Antarctica

[3oral401-12] T11[Topic Session]Frontier of research on Antarctica

Tue. Sep 19, 2023 8:45 AM - 12:15 PM oral room 4 (25-North Wing, Yoshida-South Campus Academic Center Bldg.)

Chiar:Tatsuro ADACHI, Yuki MORI, Yusuke Suganuma(National Institute of Polar Research)

9:00 AM - 9:30 AM

[T11-O-2] [Invited] Present status of geological structure in the Antarctic inferred from geophysical observations

【ハイライト講演】

*Yoshifumi Nogi1 (1. National Institute of Polar Research)

世話人よりハイライトの紹介:南極大陸は約40億年前に迫る古い地殻が存在しており,地球の変動を解明する絶好の場であるが,そのほとんどは氷に覆われている.航空機による地球物理観測は,氷下の地質構造等を広範囲で推測することを可能とし,地質調査で得られる情報と組み合わせることで,大規模地質構造やテクトニクスの解明に大きく貢献する.本発表では,南極における地球物理と地質の連携の成果と展望について紹介していただく.※ハイライトとは

Keywords:Magnetic anomaly, Gravity anomaly, Bedrock topography, Bedrock geology, Geophysical survey

南極大陸、特に東南極は、約40億年前までさかのぼれる古い地殻が存在しており、地球システムの中での超大陸の形成分裂の過程を解明する絶好の場である。しかしながら、南極大陸の98%は氷に覆われており、超大陸の形成過程を解明するために必要な、南極大陸の基盤地形や地質は、ほんの一部しか明らかでない。氷下の構造を広範囲に明らかにするためには、航空機による氷床レーダー観測、地磁気や重力異常等の地球物理学的マッピングが有効な手段である。航空機の地球物理学的マッピングと一部で得られる地質情報を組み合わせることにより、氷下の地質構造等の推測が可能となる。「ゴンドワナ大陸の形成と分裂」および「しらせ氷河流域を例とした東南極氷床の流動機構」の解明を目的として、第47次南極地域観測夏隊(2005年11月-2006年12月)において、日独共同で昭和基地周辺地域の航空機観測を行った。この観測により得られた、内陸部の地磁気異常、重力異常および基盤地形データをもとに、海岸付近や内陸部で得られている地質情報と組み合わせて、昭和基地周辺の地質構造の推定を行った。一例として、この航空機地球物理観測の結果をもとに推定された地質情報とともに、リュツォ・ホルム湾周辺のテクトニックな特徴と、推定される形成過程を紹介する。また、最新の南極域全域の地磁気異常マップや基盤地形等や、地球物理観測結果に基づく地質構造の推定やテクトニックな解釈等も紹介する。さらに、航空機による地球物理観測は、南極昭和基地周辺で未だ観測地域を拡大した調査は実施されていないが、今後の地球物理観測の展望や、地質調査との連携に関しても議論を行う。