[T16-P-1] (entry) Chemical composition changes associated with weathering of granites distributed in the northern part of Hiroshima City
広島県広島市近郊には広く花崗岩類が分布している。また、これら花崗岩分布地域は都市の拡大に伴い、郊外型の住宅地として開発されてきた。花崗岩類の種類は主に白亜紀後期の広島花崗岩類であり、ところによっては風化に伴いマサ化している。広島市北部では近年、2014年8月と2018年7月の2回、豪雨に伴いこれら風化した花崗岩が関連したと考えられる土砂災害が大規模に発生している。花崗岩の風化過程を詳細に理解することにより、土砂災害発生メカニズムの研究に資することができる可能性がある。そこで本研究では花崗岩類の風化過程について主に化学的側面から研究を行った。調査地域は広島市安佐南区の広島花崗岩類に属する角閃石黒雲母花崗岩ならびに黒雲母花崗岩が分布する地域である。これらの花崗岩類において、目視により風化段階の異なる試料について蛍光エックス線分析法により、全岩化学組成を測定した。なお、全岩化学組成は主成分元素10元素の分析値についてその合計を100 wt.%にノーマライズした。新鮮な花崗岩のSiO2含有量は、74.3, 76.1 wt.%, 風化した花崗岩のSiO2含有量は73.4-77.7 wt.%であった。また、Al2O3は新鮮: 12.8, 13.7 wt.%, 風化: 12.5-13.7 wt.%、Na2Oは新鮮: 3.57, 3.71 wt.%, 風化: 3.24-5.24 wt.% K2Oは新鮮: 4.28, 4.45 wt.% 風化: 4.05-4.74 wt.%、CaOは新鮮: 1.07, 1.41 wt.% 風化: 0.66-1.58 wt.%、MgOは新鮮: 0.25, 0.35 wt.% 風化: 0.17-0.43 wt.%であった。Harrassowitz (1926)による指標では、ba2値((CaO+MgO)/Al2O3)は風化に伴いその値が減少する傾向が認められた。
参考文献
1、地域地質研究報告、5万分の1地質図幅、高知(13)第2号―高橋裕平
2、Harrassowitz (1926) 3、化学的風化指数に関するー考察、天田 高白、岡谷 直
参考文献
1、地域地質研究報告、5万分の1地質図幅、高知(13)第2号―高橋裕平
2、Harrassowitz (1926) 3、化学的風化指数に関するー考察、天田 高白、岡谷 直