The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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優秀ポスター

優秀ポスター

地域歯科医療部門

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場(5F講習室3) (5F 講習室3)

[優秀P地域-3] 地域総働による食支援でまちのフレイルを防ぐ
―住民ボランティアによる配食サービスを歯科が支援する意義―

○木村 年秀1、丸岡 三紗1、岡田 寿朗2、豊嶋 健治2、古田 美智子3、須磨 紫乃3、山下 喜久3 (1. まんのう町国民健康保険造田歯科診療所、2. 公益社団法人香川県歯科医師会、3. 九州大学大学院歯学研究院口腔予防医学分野)

【目的】
 第28回大会にて丸岡は琴南地区(人口2,415名)の後期高齢者を対象とした「食べる楽しみ」に関する悉皆調査(回収率84.5%)について報告し,食べる楽しみの喪失には食材調達困難や孤食等の社会的要因が強く影響していることを明らかにした。当地区では中学校跡地利用として「ことなみ未来会議」を設立,住民主体の高齢者部支援チームに歯科診療所職員も加わり,配食サービス,共食の場づくり,通院送迎サービス等に協力している。本研究では多業種,多分野,住民など地域総働による食支援の実践例を報告すること,食事に影響する社会的要因の解決状況を評価することを目的とする。
【対象および方法】
 平成29年8月,高齢者世帯を対象に,高齢者支援チームによる配食サービスが始動した。利用者75名中,民生委員等が申請時調査を実施した54名について健康,食生活状況等を集計した。また,昨年実施した「食べる楽しみ」調査データと利用者データを突合分析した。
【結果および考察】
 申請時調査を集計した結果,親族等による食事支援がない者が29.4%であった。摂食困難または支障ありと回答したのは28.3%,献立作成で61.1%,買物で75.9%,調理で79.6%であり,ほとんどが何らかの食支援が必要であった。「食べる楽しみ」調査回答者462名中,配食サービス利用者は61名であり,「半年間で3kg以上体重が減少」と回答した者のうち17%,「食事が楽しくない」で21%,楽しくない理由で「話し相手がいない」,「食材調達困難」で27%を半年間の活動でカバーできた。地域総働によるまちづくりにおいて医療専門職が果たした役割は住民ボランティア等の支援者を後押しすることであった。