[優秀P地域-4] 脳梗塞後遺症による摂食嚥下障害に対して在宅にて摂食嚥下リハビリテーション行った一例
【目的】
脳梗塞に伴う摂食嚥下障害では早期からの介入が効果的とされる。一方,重度嚥下障害を有する場合,早期に胃瘻が造設され経口摂取が禁止されることも少なくない。今回,脳梗塞による嚥下障害発症7ヵ月後から,経口摂取開始を目指した摂食嚥下リハビリテーションを行った症例を報告する。
【方法】
72歳の男性。脳梗塞に伴う嚥下障害にて胃瘻造設後,経口摂取が禁止となったが,本人の口から食べたい思いが強く,発症7ヵ月後に訪問歯科介入開始となった。意識レベルは良好だが構語障害があり意志疎通は困難,ADLはほぼ全介助,左片麻痺あり,座位保持は困難であった。口腔機能低下が著しく,舌の挙上・閉口保持困難,流涎も認めた。初回VEでは嚥下反射遅延と咽頭クリアランス不良を認めたが,安静時の唾液貯留は軽度で,とろみ水の嚥下で誤嚥は認めなかった。そこで,短期的目標は安全な経口摂取の再開,長期的目標は家族の介助による経口摂取の確立とした。
【結果と考察】
口腔期障害に対し,ROM訓練,冷圧刺激法を実施しPAPを作成した。咽頭期障害に対し,開口訓練とバルーン拡張法を実施し,体幹機能向上のためPTと連携し姿勢保持訓練を行った。間接訓練と並行し,介入初期から2mlとろみ水の直接訓練を複数回嚥下により実施した。その結果,介入8ヵ月後には同量のとろみ水を単回の嚥下で摂取可能となり,安全な摂食姿勢と介助方法を設定することで,家族の介助下で少量ではあるが日常的にとろみを添加したお茶やコーヒーを摂取することが可能となった。現在,さらなる経口摂取の向上を目指し介入を継続している。以上より,慢性期嚥下障害であっても積極的な介入によりQOL向上に貢献できる可能性が示唆された。
脳梗塞に伴う摂食嚥下障害では早期からの介入が効果的とされる。一方,重度嚥下障害を有する場合,早期に胃瘻が造設され経口摂取が禁止されることも少なくない。今回,脳梗塞による嚥下障害発症7ヵ月後から,経口摂取開始を目指した摂食嚥下リハビリテーションを行った症例を報告する。
【方法】
72歳の男性。脳梗塞に伴う嚥下障害にて胃瘻造設後,経口摂取が禁止となったが,本人の口から食べたい思いが強く,発症7ヵ月後に訪問歯科介入開始となった。意識レベルは良好だが構語障害があり意志疎通は困難,ADLはほぼ全介助,左片麻痺あり,座位保持は困難であった。口腔機能低下が著しく,舌の挙上・閉口保持困難,流涎も認めた。初回VEでは嚥下反射遅延と咽頭クリアランス不良を認めたが,安静時の唾液貯留は軽度で,とろみ水の嚥下で誤嚥は認めなかった。そこで,短期的目標は安全な経口摂取の再開,長期的目標は家族の介助による経口摂取の確立とした。
【結果と考察】
口腔期障害に対し,ROM訓練,冷圧刺激法を実施しPAPを作成した。咽頭期障害に対し,開口訓練とバルーン拡張法を実施し,体幹機能向上のためPTと連携し姿勢保持訓練を行った。間接訓練と並行し,介入初期から2mlとろみ水の直接訓練を複数回嚥下により実施した。その結果,介入8ヵ月後には同量のとろみ水を単回の嚥下で摂取可能となり,安全な摂食姿勢と介助方法を設定することで,家族の介助下で少量ではあるが日常的にとろみを添加したお茶やコーヒーを摂取することが可能となった。現在,さらなる経口摂取の向上を目指し介入を継続している。以上より,慢性期嚥下障害であっても積極的な介入によりQOL向上に貢献できる可能性が示唆された。