[優秀P一般-2] 生活期の嚥下障害患者に対する訪問での摂食嚥下リハビリテーションの効果
【目的】
摂食嚥下リハビリテーション(嚥下リハ)は退院後も継続したフォローが必要である。しかし,生活期の摂食嚥下障害患者に対する嚥下リハの有効性を縦断にて検証した報告は少ない。本研究では,摂食嚥下障害患者に対する嚥下リハの効果を調査したので報告する。
【方法】
2017年4月から10月までの期間で当科に嚥下リハの依頼がきた患者のうち1人の歯科医師が訪問診療した41名を対象とし,そのうち神経筋疾患と悪性腫瘍患者18名を除外した,23名(男性10名,女性13名,平均年齢84.0±8.9歳)を対象とした。原疾患の内訳は,脳血管障害11名,認知症7名,廃用症候群5名であった。毎月1回訪問し,嚥下内視鏡検査を施行したうえで,食形態や食事時の姿勢調整を行い,間接訓練を指導した。介護度,FOIS(functional oral intake scale),嚥下内視鏡検査の結果(誤嚥の有無,咽頭残留の有無),BMI,KT(口から食べる)バランスチャートを記録し初診時と3ヵ月後の差異をWilcoxon signed rank testを用いて検討した。
【結果と考察】
対象者の70%が要介護5であった。対象者の30.4%にFOISの向上を認めた。FOISKTバランスチャートを用いた13項目の評価のうちの9項目が有意に増加した。特に摂食嚥下の機能的視点の項目がすべて有意に増加し,BMIも有意に増加した(p<0.05)。介入中に肺炎を発症した患者は1名であった。3ヵ月間の嚥下リハの介入により,摂食嚥下機能が改善し,BMIの増加に寄与したと考察される。
摂食嚥下リハビリテーション(嚥下リハ)は退院後も継続したフォローが必要である。しかし,生活期の摂食嚥下障害患者に対する嚥下リハの有効性を縦断にて検証した報告は少ない。本研究では,摂食嚥下障害患者に対する嚥下リハの効果を調査したので報告する。
【方法】
2017年4月から10月までの期間で当科に嚥下リハの依頼がきた患者のうち1人の歯科医師が訪問診療した41名を対象とし,そのうち神経筋疾患と悪性腫瘍患者18名を除外した,23名(男性10名,女性13名,平均年齢84.0±8.9歳)を対象とした。原疾患の内訳は,脳血管障害11名,認知症7名,廃用症候群5名であった。毎月1回訪問し,嚥下内視鏡検査を施行したうえで,食形態や食事時の姿勢調整を行い,間接訓練を指導した。介護度,FOIS(functional oral intake scale),嚥下内視鏡検査の結果(誤嚥の有無,咽頭残留の有無),BMI,KT(口から食べる)バランスチャートを記録し初診時と3ヵ月後の差異をWilcoxon signed rank testを用いて検討した。
【結果と考察】
対象者の70%が要介護5であった。対象者の30.4%にFOISの向上を認めた。FOISKTバランスチャートを用いた13項目の評価のうちの9項目が有意に増加した。特に摂食嚥下の機能的視点の項目がすべて有意に増加し,BMIも有意に増加した(p<0.05)。介入中に肺炎を発症した患者は1名であった。3ヵ月間の嚥下リハの介入により,摂食嚥下機能が改善し,BMIの増加に寄与したと考察される。