[優秀P衛生-2] 唾液中潜血を指標とした歯周疾患の重症度に影響する要因の検討
【目的】
高齢者の現在歯増加に伴い,歯周疾患管理のニーズが高まっている。高齢期では歯周疾患管理で考慮すべき身体,社会的な要因が加齢により変化していくため,歯周疾患管理は加齢変化を踏まえた上で適切に行われる必要がある。しかし,高齢期の年代の違いが歯周疾患に及ぼす影響を検討した研究はない。そこで本研究では,高齢期における年代別の適切な歯周疾患管理の在り方を明らかにすることを目的に,歯周疾患のスクリーニング指標である唾液中潜血を指標に,年代別に歯周疾患の重症度に影響する要因の違いを検討した。
【方法】
都内在住70歳以上で現在歯数を20~28歯有する592名を対象とし,基礎情報,身体機能評価,認知機能評価,歯科保健行動と口腔内評価の調査を行った。唾液中潜血は唾液検査用装置(アークレイ社製)を用いた。唾液中潜血測定値の第3四分位で高値・低値群に分類し,年代ごとに2群比較を行い,唾液中潜血高値との関連について二項ロジスティック回帰分析を行った。
【結果と考察】
唾液中潜血高値に関連する要因(オッズ比)として,70~74歳でプラークの付着(2.26),主観的口腔健康感の不良(2.99),75~79歳で現在歯数の減少(0.80),1年以内の歯科未受診(2.80),80~84歳で1年以内の歯科未受診(3.93)が挙げられ,年代別で異なることが明らかとなった。以上の結果から適切な歯周疾患管理は,年代別に変化する必要があり,主観的口腔健康感が不良であれば,70~74歳ではセルフケアによる口腔衛生状態の改善の指導,75~79歳では歯科受診勧奨を行うこと,80~84歳では主観的口腔健康感に関わらず,積極的に定期受診勧奨を行うことが重要と示唆された。
高齢者の現在歯増加に伴い,歯周疾患管理のニーズが高まっている。高齢期では歯周疾患管理で考慮すべき身体,社会的な要因が加齢により変化していくため,歯周疾患管理は加齢変化を踏まえた上で適切に行われる必要がある。しかし,高齢期の年代の違いが歯周疾患に及ぼす影響を検討した研究はない。そこで本研究では,高齢期における年代別の適切な歯周疾患管理の在り方を明らかにすることを目的に,歯周疾患のスクリーニング指標である唾液中潜血を指標に,年代別に歯周疾患の重症度に影響する要因の違いを検討した。
【方法】
都内在住70歳以上で現在歯数を20~28歯有する592名を対象とし,基礎情報,身体機能評価,認知機能評価,歯科保健行動と口腔内評価の調査を行った。唾液中潜血は唾液検査用装置(アークレイ社製)を用いた。唾液中潜血測定値の第3四分位で高値・低値群に分類し,年代ごとに2群比較を行い,唾液中潜血高値との関連について二項ロジスティック回帰分析を行った。
【結果と考察】
唾液中潜血高値に関連する要因(オッズ比)として,70~74歳でプラークの付着(2.26),主観的口腔健康感の不良(2.99),75~79歳で現在歯数の減少(0.80),1年以内の歯科未受診(2.80),80~84歳で1年以内の歯科未受診(3.93)が挙げられ,年代別で異なることが明らかとなった。以上の結果から適切な歯周疾患管理は,年代別に変化する必要があり,主観的口腔健康感が不良であれば,70~74歳ではセルフケアによる口腔衛生状態の改善の指導,75~79歳では歯科受診勧奨を行うこと,80~84歳では主観的口腔健康感に関わらず,積極的に定期受診勧奨を行うことが重要と示唆された。