The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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認定医審査ポスター

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Fri. Jun 22, 2018 9:50 AM - 4:50 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[認定P-35] 入院下の徹底した管理下での直接訓練により全量経口摂取へ早期に移行できた口底癌術後胃管栄養患者の1例

○小池 丈司1 (1. 昭和大学歯学部スペシャルニーズ口腔医学講座口腔リハビリテーション医学部門)

【はじめに】
 当科では頭頸部癌治療予定患者に対して耳鼻科医,口腔外科医と連携して術前より周術期口腔リハビリテーションの介入を行っている。今回われわれは術後一月以上経過しても経鼻胃管抜去不能な患者に対して,入院下での集中的直接訓練実施により全量経口摂取へ移行できた症例を経験したので報告する。
【症例】
 65歳男性。平成29年3月に本大学病院頭頸部腫瘍センターにて左側口底癌(T4aN0M1)の診断の下,左側口底切除術,左側全頸部郭清術,気管切開術,大胸筋皮弁による再建術が施行された。術後に血流障害による大胸筋皮弁の脱落を認め,左側口底部に陥凹を生じた。創の治癒を待ち,ゼリーを用いた直接訓練を口腔外科医が継続して行っていたが,経口摂取が進まず胃管抜去が困難であった。気切部を閉鎖し,全身状態の安定した術後32日目に,当科に転院し,入院下での集中的な直接訓練を実施することとなった。
【入院後経過】
 入院時,瘢痕拘縮による舌運動障害と顎運動障害に加えて、VF検査によりとろみなし水分で少量の顕性誤嚥を認め,頸部の右傾斜左回旋+顎引き姿勢の姿勢調整法でとろみなし水分以外の検査食の経口摂取が可能なことを確認した。そこで水分摂取時のみ間歇的鼻腔食道経管栄養法を実施・指導し,当科スタッフの徹底した管理下で1日3食,直接訓練を姿勢調整法と必要時の前傾姿勢併用ハフィング排出を遵守させて行った。食形態はゼリー,ソフト食から開始し,在院9日後退院時には米飯,常食,とろみあり水分を全量経口摂取可能となり間歇的経管栄養法も中止した。
【まとめ】
 本症例では一日3食の直接訓練を徹底した管理下で実施したことが早期の全量経口摂取獲得に繋がったものと考えられた。