The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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認定医審査ポスター

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Fri. Jun 22, 2018 9:50 AM - 4:50 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[認定P-37] 食道癌治療後食道通過障害と誤嚥性肺炎により胃瘻管理の核上性麻痺患者が介入により胃瘻抜去となった1例

○上杉 雄大1 (1. 昭和大学歯学部スペシャルニーズ口腔医学講座口腔リハビリテーション医学部門)

【目的】
 食道癌放射線治療(RT)後では食道通過障害が多くみられ, 進行性核上性麻痺(PSP)では口腔・咽頭期の嚥下障害を認めることが多い。今回食道癌RT後に誤嚥性肺炎を併発し,全量胃瘻管理となったが,訓練が奏功し,胃瘻抜去となったPSP症例を経験したので報告する。
【症例】
 患者;76歳男性。既往歴;2010年PSP発症。現病歴;2016年4月,A病院にて胸部食道癌(StageⅢ)に対し,RTを実施。画像上完治を得るも同年9月食道狭窄併発,バルーン拡張術による食道裂創を認め,誤嚥性肺炎併発し,胃瘻造設.経口禁のまま同月26日当科紹介受診。現症; BMI20,modified Rankin Scale 4,舌振戦+,藤島の摂食状況のレベルLv1,VF検査にて咀嚼障害,詰め込み食い,口腔期の遅延,食道狭窄を認めるが喉頭侵入など無し。診断;食道狭窄およびPSPによる嚥下障害。藤島の摂食・嚥下能力のグレードGr5。
【経過】
 口腔清掃,頸部ストレッチ,咀嚼訓練と並行し,1日1回ゼリー食で直接訓練を開始(Lv3)。シンメトレルの処方を内科に依頼。ペーシングを指導し,段階的に食形態調整を続け,2017年1月に1日3回の嚥下訓練に変更(Lv6)。経口摂取量増加に伴い,経管栄養量を減少させた。同年4月:全量経口摂取(Lv7)。同年7月:胃瘻抜去.体重は増減なし。2018年1月現在も全量経口摂取継続しており,誤嚥性肺炎の発症はない。
【考察】
 本症例における誤嚥性肺炎の原因として,咀嚼障害,ペーシング障害,咽頭期遅延,食道狭窄が考えられた。各原因に対し,複合的な訓練と段階的な対応を継続したことから,胃瘻抜去が得られたと考えられた。