[P一般-001] 介護保険施設利用者における口腔機能向上および栄養改善プログラムに関する質的研究
【目的】
口から食べることは全身の健康のみならず人生最大の楽しみももたらす。口腔機能の向上,栄養改善,運動機能の向上といった介護予防事業による効果を量的に評価した報告は散見されるが,客観的数値で評価できる効果のみではない可能性がある。本研究の目的は,口腔機能向上プログラムと栄養改善プログラムの複合的支援の効果の質的評価の可能性を探ることである。
【方法】
介護老人福祉施設利用者83名(男性33名,女性50名,平均81.3歳)に対して専門職種(歯科衛生士と管理栄養士)が実施した介護予防プログラム(月2回,24ヵ月間)の業務記録を分析対象とした。担当職種,介入時期および介入形態(口腔単独群,栄養単独群,口腔栄養複合群)による相違を比較するため,計量テキスト分析ソフトウェアKH Coderを使用して頻出語分析,共起関係分析,対応分析,コーディング・クロス集計した。
【結果】
テキスト分析の結果,最も多く用いられていたのは「舌」(3,095回),「食べる」(2,006回),「義歯」(1,607回)であった。経口摂取支援において歯科衛生士および管理栄養士は「舌の動き」「舌の汚れ」など,舌が重要であると考えていることが明らかになった。また歯科衛生士は,口腔に関連する語を,管理栄養士は食事や生活環境に関する語を有意に多く使用しており,生活全般を見ている可能性が考えられた。介入時期別解析では,介入開始後13ヵ月目からはポジティブな用語が増えていた。介入形態別解析では,口腔栄養複合群と口腔単独群で使用されていた語の出現パターンが類似していた。
以上により各職種の着眼点が異なること,13ヵ月以上で効果が高くなる可能性があることが示唆された。
口から食べることは全身の健康のみならず人生最大の楽しみももたらす。口腔機能の向上,栄養改善,運動機能の向上といった介護予防事業による効果を量的に評価した報告は散見されるが,客観的数値で評価できる効果のみではない可能性がある。本研究の目的は,口腔機能向上プログラムと栄養改善プログラムの複合的支援の効果の質的評価の可能性を探ることである。
【方法】
介護老人福祉施設利用者83名(男性33名,女性50名,平均81.3歳)に対して専門職種(歯科衛生士と管理栄養士)が実施した介護予防プログラム(月2回,24ヵ月間)の業務記録を分析対象とした。担当職種,介入時期および介入形態(口腔単独群,栄養単独群,口腔栄養複合群)による相違を比較するため,計量テキスト分析ソフトウェアKH Coderを使用して頻出語分析,共起関係分析,対応分析,コーディング・クロス集計した。
【結果】
テキスト分析の結果,最も多く用いられていたのは「舌」(3,095回),「食べる」(2,006回),「義歯」(1,607回)であった。経口摂取支援において歯科衛生士および管理栄養士は「舌の動き」「舌の汚れ」など,舌が重要であると考えていることが明らかになった。また歯科衛生士は,口腔に関連する語を,管理栄養士は食事や生活環境に関する語を有意に多く使用しており,生活全般を見ている可能性が考えられた。介入時期別解析では,介入開始後13ヵ月目からはポジティブな用語が増えていた。介入形態別解析では,口腔栄養複合群と口腔単独群で使用されていた語の出現パターンが類似していた。
以上により各職種の着眼点が異なること,13ヵ月以上で効果が高くなる可能性があることが示唆された。