The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

症例・施設

症例・施設

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-105] 認知症患者のメインテナンス治療の報告

○堀川 菜穂子1、大森 望1、遠藤 徹1 (1. 遠藤歯科医院)

【目的】
 高齢者の増加とともに歯科診療所でも認知症患者の来院が見られるようになった。高齢者は,残存歯数の増加もあり,日常の口腔ケアに困難を伴うことも多い。とくに,認知症の患者の口腔機能を維持するためには介護者や医療者の適切なサポートが必要である。当院で口腔管理を行っている症例を報告し認知症患者のケアの問題点を考察する。
【症例】
 患者A:85歳女性。平成19年3月初診時残存歯23本。歯周病治療後メインテナンスに移行。平成25年12月からプラークコントロールが極端に悪化する。そのころより,来院予約時間の間違い等多くなる。平成28年より認知症発症の診断を受ける。現在月1回のメインテナンス治療へ移行。
 患者B:76歳男性。平成29年7月初診時残存歯22本。認知症のため,口腔清掃が出来ないこと,口臭がひどいと妻に連れられて来院。う蝕治療,歯周病治療を行い,月1回のメインテナンス治療へ移行。
 患者C:82歳女性。平成27年1月初診時残存歯28本。当初は一人で来院。歯間ブラシ等も使用していた。半年後には認知症の診断を受け,ヘルパーに連れられて来るようになる。そのころより,歯みがきが十分にできなくなる。平成28年10月より,歯科衛生士による月2回のメインテナンス治療を継続中。
【考察】
 認知症患者はその進行とともに自立した口腔ケアが困難になる。当院では1ヵ月に1~2回の来院時に口腔清掃指導とPTCを行うことで認知症患者のう蝕や歯周病,また誤嚥性肺炎を予防し,口腔機能の維持を目指している。外来での管理は患者をサポートする体制が整っていてはじめて可能であること。認知症の進行とともに施設や居宅での管理が継続できるかが今後の課題となる。