The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

症例・施設

症例・施設

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-107] 消化器疾患を有する嚥下障害患者に対する指導内容についての一症例

○酒井 真悠1,2、岡田 猛司1,3、木村 将典1,2、平井 皓之1,2、昔農 淳平1,2、植田 耕一郎1 (1. 日本大学歯学部摂食機能療法学講座、2. 日本大学大学院歯学研究科歯学専攻、3. 足利赤十字病院リハビリテーション科)

【目的】
 消化器疾患を有する嚥下障害患者に消化器官に配慮しながら間接訓練や食事指導を行い,嚥下機能や栄養状態が改善した症例について報告する。
【症例】
 76歳男性。2017年7月に食道癌に対する食道胃亜全摘手術のため当院に近接した医科病院に入院した。術後経口摂取を再開した際にむせがみられ,主治医より当科に嚥下機能評価の依頼を受けた。
【処置および経過】
 初診時は腸瘻にて栄養管理されており,禁食状態であった。嚥下内視鏡検査より唾液誤嚥と右側声帯麻痺を認めたため,声門閉鎖不全と喀出力の改善を目的に間接訓練の指導を行った。経口摂取は可能と判断し,トロミ付き水分,全粥,刻み食半量から食事を開始した。しかし,食事開始後からダンピング症候群と腸閉塞により度々腹痛,嘔吐や発熱がみられメンデルソン症候群が疑われた。経口摂取開始後も不足した栄養分を腸瘻より摂取していたが,腸閉塞を発症し腸瘻が抜去となった。また,発熱がみられる度に主治医の判断で禁食になったため,末梢点滴栄養の期間が度々生じ,体重の減少がみられた。食事摂取量や食事回数,食後の対応,さらには栄養補助食品を併用して栄養面についての指導をした。2ヵ月後,消化器の状態が安定したため退院し,現在は体重が4kg増加,外来にて診療を継続している。
【考察】
 消化器疾患処置後は消化器の状態が安定せず必要な栄養量の確保が困難な場合がある。嚥下機能訓練だけでなく,代償能力や環境について食事形態,摂取量,摂取回数等の食事,栄養を考慮した治療計画が重要と考えられる。