[P一般-012] 歯科外来患者におけるMCIスクリーニング検査における各種バイオマーカーと口腔機能との関連
【目的】
軽度認知障害(MCI)とは,記憶力や注意力などの認知機能は低下しているが日常生活には大きな支障が出ていない,認知症と健常の中間の状態である。近年,アミロイドβを排出するシークエスタータンパク質の濃度を組み合わせ,統計的手法で認知機能障害への進行リスクを推定するMCIスクリーニング検査が開発された。本研究では,歯科外来患者を対象に、MCIスクリーニング検査および各種バイオマーカーと口腔機能との関連を検討することを目的とした。
【方法】
歯科外来通院中患者35名(平均年齢71.7±4.0歳)を対象とした。調査項目は,患者基本情報,現在歯数,歯周状態および咬合支持域等の口腔内状態,咀嚼能力,舌圧等の口腔機能とし,MCIスクリーニング検査の判定結果との関連を調べた。また,MCIリスク値および各種バイオマーカーであるApoA1,トランスサイレチン(TTR),非活性型C3の血中濃度との関連を検討した。
【結果と考察】
MCIスクリーニング検査の結果,20名(57.1%)がMCI陽性であった。MCIリスク値および各種バイオマーカーとの比較では,MCIリスクと舌圧(r=-0.387,p=0.022),ApoA1において現在歯数(r=0.458,p=0.006)および咬合支持域数(r=0.428,p=0.010)との相関が認められた。
本研究ではMCIスクリーニング陽性/陰性結果と口腔機能についての関連は認められなかったが,一部のバイオマーカーと口腔機能についての関連が認められており,口腔機能を維持することで,MCIの発症を予防できる可能性が示唆された。
軽度認知障害(MCI)とは,記憶力や注意力などの認知機能は低下しているが日常生活には大きな支障が出ていない,認知症と健常の中間の状態である。近年,アミロイドβを排出するシークエスタータンパク質の濃度を組み合わせ,統計的手法で認知機能障害への進行リスクを推定するMCIスクリーニング検査が開発された。本研究では,歯科外来患者を対象に、MCIスクリーニング検査および各種バイオマーカーと口腔機能との関連を検討することを目的とした。
【方法】
歯科外来通院中患者35名(平均年齢71.7±4.0歳)を対象とした。調査項目は,患者基本情報,現在歯数,歯周状態および咬合支持域等の口腔内状態,咀嚼能力,舌圧等の口腔機能とし,MCIスクリーニング検査の判定結果との関連を調べた。また,MCIリスク値および各種バイオマーカーであるApoA1,トランスサイレチン(TTR),非活性型C3の血中濃度との関連を検討した。
【結果と考察】
MCIスクリーニング検査の結果,20名(57.1%)がMCI陽性であった。MCIリスク値および各種バイオマーカーとの比較では,MCIリスクと舌圧(r=-0.387,p=0.022),ApoA1において現在歯数(r=0.458,p=0.006)および咬合支持域数(r=0.428,p=0.010)との相関が認められた。
本研究ではMCIスクリーニング陽性/陰性結果と口腔機能についての関連は認められなかったが,一部のバイオマーカーと口腔機能についての関連が認められており,口腔機能を維持することで,MCIの発症を予防できる可能性が示唆された。