The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

その他

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Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-129] 有病高齢者の歯科治療中に心室性期外収縮を起こした2症例についての報告

○川勝 美里1、久保田 一政1、田頭 いとゑ1、上田 圭織1、水口 俊介1 (1. 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野)

【緒言】
 心室性期外収縮は頻度が高い不整脈であり,基礎疾患のない健常者にも数多く認められる。今回,心疾患を有する高齢者に対する歯科治療中に心室性期外収縮が認められ,異なる対応をとったので報告する。
【症例および処置】
 症例1:73 歳,男性。既往歴:高血圧,心筋梗塞,胃がん,白内障。経過:慢性化膿性根尖性歯周炎の診断の下,抜歯となった。局所麻酔から約 10 分後に心室性期外収縮が複数回認められ,その時点での血圧は 127/83mmHg,脈拍 64 回/分,SpO2 98%であった。患者からの訴えやその他の所見は認められず循環動態が維持されていたため,そのまま抜歯を継続し,問題なく終了した。
 症例2:81 歳,男性。既往歴:糖尿病,高血圧,脂質異常症,腎機能障害,糖尿病性網膜症,狭心症,高尿酸血症。経過:慢性化膿性根尖性歯周炎の診断の下,抜歯となった。局所麻酔を行ったところ,その約 6 分後に連続する心室性期外収縮を起こし,血圧 167/91mmHg,脈拍 69 回/分,SpO2 97%であったが,意識もうろうとしたため抜歯を中断し医科へ搬送した。医科受診後,医師より心臓カテーテル精査を受けるよう再度勧告された。
【結果と考察】
 心室性期外収縮は,本2症例のように狭心症などの心疾患があり症状の訴えがある場合は,心停止など重篤な状態に移行する可能性がある。また狭心症の発作との鑑別が必要となってくる。術中に心室性期外収縮を起こした場合,危険な不整脈に移行するかどうかを見極め,治療の継続を判断し安全な歯科治療を行う必要がある。