[P一般-013] 舌の厚み測定の臨床的意義の検討
【目的】
咀嚼嚥下において,舌は捕食から嚥下にいたるまで動き続けており,欠かせない器官の一つとなっている。安静時の舌の厚みは栄養状態やBMI,要介護期間と有意な相関があることが報告されている。舌は口腔機能と深くかかわっているにもかかわらず,舌の厚みと口腔機能との関連は明らかとなっていない。そこで,歯科受診時に簡便に測定可能な舌の厚みと口腔機能との関連性を検討することにより、口腔機能の評価や維持向上における舌の厚み測定の臨床的意義を明らかにすることを目的とした。
【方法】
被験者は補綴処置が完了し,定期的メンテナンスで徳島大学病院歯科を受診した106名とした。基本属性として,年齢,BMI,インプラントと固定性補綴装置のポンティックを含む有床義歯以外の残存機能歯数を記録した。舌の厚みは,超音波測定装置で測定した。関連因子として舌圧,舌突出圧,オーラルディアドコキネシス,頬圧,咬合力,口腔水分量を測定した。Mann-Whitney U検定,ロジスティック回帰分析を用いて解析した。なお、徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会の承認(承認番号2225)を得て行った。
【結果と考察】
統計学的検討を行った結果,舌の厚みが大きいほうが/ka/の値は有意に小さく,頬圧の値は有意に大きくなった。また,多変量ロジスティック回帰分析を行った結果,舌の厚みと関連のある因子として,/ka/,頬圧,残存機能歯数が選択され,舌の厚みが厚いほど/ka/の回数は少なくなっていた。本研究結果より,健常高齢者において舌の厚みは舌の運動機能を反映しているとは限らず,舌を含めた口腔機能評価においては舌の厚みだけでなく複数の評価方法を併用して検討する必要があると考えられた。
咀嚼嚥下において,舌は捕食から嚥下にいたるまで動き続けており,欠かせない器官の一つとなっている。安静時の舌の厚みは栄養状態やBMI,要介護期間と有意な相関があることが報告されている。舌は口腔機能と深くかかわっているにもかかわらず,舌の厚みと口腔機能との関連は明らかとなっていない。そこで,歯科受診時に簡便に測定可能な舌の厚みと口腔機能との関連性を検討することにより、口腔機能の評価や維持向上における舌の厚み測定の臨床的意義を明らかにすることを目的とした。
【方法】
被験者は補綴処置が完了し,定期的メンテナンスで徳島大学病院歯科を受診した106名とした。基本属性として,年齢,BMI,インプラントと固定性補綴装置のポンティックを含む有床義歯以外の残存機能歯数を記録した。舌の厚みは,超音波測定装置で測定した。関連因子として舌圧,舌突出圧,オーラルディアドコキネシス,頬圧,咬合力,口腔水分量を測定した。Mann-Whitney U検定,ロジスティック回帰分析を用いて解析した。なお、徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会の承認(承認番号2225)を得て行った。
【結果と考察】
統計学的検討を行った結果,舌の厚みが大きいほうが/ka/の値は有意に小さく,頬圧の値は有意に大きくなった。また,多変量ロジスティック回帰分析を行った結果,舌の厚みと関連のある因子として,/ka/,頬圧,残存機能歯数が選択され,舌の厚みが厚いほど/ka/の回数は少なくなっていた。本研究結果より,健常高齢者において舌の厚みは舌の運動機能を反映しているとは限らず,舌を含めた口腔機能評価においては舌の厚みだけでなく複数の評価方法を併用して検討する必要があると考えられた。