[P一般-015] 抵抗訓練による口唇閉鎖力の向上効果の検討
【目的】
口唇閉鎖は,摂食嚥下機能および構音機能に関連する。加齢や疾病による口唇閉鎖力の低下に対し,これを維持・向上させることは重要である。口唇閉鎖力の訓練法に関する報告は散見されるが,リハビリテーション法として確立するためには,効果の裏付けが必要である。本研究は,口唇閉鎖訓練の効果の検討を目的に,我々の考案した簡便な訓練法実施後の口唇閉鎖力の向上効果を検討した。
【対象および方法】
健常若年者15名(男性11名,女性4名,平均年齢29±3歳)を被験者とした。口唇閉鎖訓練用器具(りっぷるとれーなー,松風)を用いた抵抗訓練を,1日1回3分間,5日実施・2日休止の繰り返しで,4週間行わせた。訓練手順は,次の通りとした。①訓練器具を前歯部口腔前庭に設置する。②前方にまっすぐ3秒間牽引する。牽引時,口唇から逸脱しないように,できるだけ強く口唇を閉鎖して抵抗する。③3秒間休憩する。これを10回繰り返す。その後,設定位置を左右口角部に変更し,それぞれの位置で10回ずつ行う。
口唇閉鎖力の計測は,口唇閉鎖力測定器(りっぷるくん,松風)を用いた。3回計測した最大値を口唇閉鎖力とした。
訓練前後の口唇閉鎖力の差を,Wilcoxonの符号付き順位検定で分析した(α=0.05)。
【結果と考察】
口唇閉鎖力は,訓練前8.9±1.5 N,訓練後10.4±1.8 Nであった。2群間に有意差を認めた。87%で訓練による口唇閉鎖力の向上が認められた。したがって,健康成人では,訓練により口唇閉鎖力が向上することが明らかになった。1日1回,数分の訓練でも,牽引方向を変更して口輪筋全体を活性化させたことにより口唇閉鎖力が向上したと考えられる。
口唇閉鎖は,摂食嚥下機能および構音機能に関連する。加齢や疾病による口唇閉鎖力の低下に対し,これを維持・向上させることは重要である。口唇閉鎖力の訓練法に関する報告は散見されるが,リハビリテーション法として確立するためには,効果の裏付けが必要である。本研究は,口唇閉鎖訓練の効果の検討を目的に,我々の考案した簡便な訓練法実施後の口唇閉鎖力の向上効果を検討した。
【対象および方法】
健常若年者15名(男性11名,女性4名,平均年齢29±3歳)を被験者とした。口唇閉鎖訓練用器具(りっぷるとれーなー,松風)を用いた抵抗訓練を,1日1回3分間,5日実施・2日休止の繰り返しで,4週間行わせた。訓練手順は,次の通りとした。①訓練器具を前歯部口腔前庭に設置する。②前方にまっすぐ3秒間牽引する。牽引時,口唇から逸脱しないように,できるだけ強く口唇を閉鎖して抵抗する。③3秒間休憩する。これを10回繰り返す。その後,設定位置を左右口角部に変更し,それぞれの位置で10回ずつ行う。
口唇閉鎖力の計測は,口唇閉鎖力測定器(りっぷるくん,松風)を用いた。3回計測した最大値を口唇閉鎖力とした。
訓練前後の口唇閉鎖力の差を,Wilcoxonの符号付き順位検定で分析した(α=0.05)。
【結果と考察】
口唇閉鎖力は,訓練前8.9±1.5 N,訓練後10.4±1.8 Nであった。2群間に有意差を認めた。87%で訓練による口唇閉鎖力の向上が認められた。したがって,健康成人では,訓練により口唇閉鎖力が向上することが明らかになった。1日1回,数分の訓練でも,牽引方向を変更して口輪筋全体を活性化させたことにより口唇閉鎖力が向上したと考えられる。