一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

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一般演題ポスター

連携医療・地域医療

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2018年6月23日(土) 09:30 〜 15:30 ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-025] 化学療法の在宅患者における口腔粘膜炎への対応

○木森 久人1,2、安西 良充2、金子 亮2、河野 孝栄2 (1. 医療法人社団八洲会、2. 小田原歯科医師会)

【目的】
 化学療法中の在宅療養患者に対して,歯科介入によって経口摂取が可能となった症例を経験したので報告する。
【症例および処置】
 80歳男性。平成27年10月中旬,初診。基礎疾患:腰痛変形症,肺がん。主訴:歯が揺れてご飯が食べられない。
 歯科治療経過:平成27年10月中旬,初診。12月上旬,右下1Ext。平成28年2月中旬,新製義歯装着。5月下旬,右上3〜左上2Br脱離,義歯へ増歯修理。平成29年1月中旬,上顎義歯新製装着。12月中旬,再初診。下の前歯が折れた。右下2〜左下1Br破折脱離。義歯へ増歯修理を予定。両側頬粘膜に強度の粘膜炎を認める。スポンジブラシ,アズレンを用いた口腔ケア,含嗽および食事前にキシロカインゼリーを用いた頬粘膜に塗布するよう指導。
 12月下旬,粘膜炎に若干の改善見られる。食事前にキシロカインビスカスを用いた含嗽を指導。口腔清掃,アズレンうがいも継続。平成30年1月上旬,粘膜炎改善傾向。食事は粥レベルが食べられるようになった。抗がん剤による食思不振,悪心はある。口腔ケアにより口腔内の清潔を保ち,またキシロカインビスカスによる痛みの除去により食事量を増やしていけるよう努める。
【考察】
 初診時には肺がんの確定診断を受けていなかったが,途中より抗がん剤治療のため入退院を繰り返していた。肺がん自体による体調不良もあるが,抗がん剤治療副反応による食思不振。悪心が顕著であり,また抗がん剤の種類の変更により口腔粘膜炎の発生を認め,この点について呼吸器内科主治医では確認とれていなかった。抗がん剤治療中の患者に対しての歯科介入により経口摂取が可能となり,歯科介入の重要性を改めて確認した。