一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

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一般演題ポスター

連携医療・地域医療

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2018年6月23日(土) 09:30 〜 15:30 ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-030] 当院の歯科訪問診療における抜歯症例の概要

○稲用 昌之1、斎藤 徹1、牧野 秀樹1、高橋 耕一1、辻 将1、砂川 裕亮1、栂安 秀樹1 (1. 医療法人社団秀和会つがやす歯科医院)

【緒言】
 要介護高齢者に対する歯科治療に際して抜歯等の観血的治療が必要になることも稀ではない。本研究では,当院の歯科訪問診療における抜歯症例の概要について報告する。
【抜歯症例の概要】
 2006年11月~2017年12月の間に当院が歯科訪問診療を施行した症例は4,740例であり,抜歯を行った症例は928例(19.6%)を占めていた。年次別の抜歯症例の新患症例数は,2006~2010年:4例,2011年:37例,2012年:68例,2013年:80例,2014年:117例,2015年:153例,2016年:199例,2017年:270例と,近年,訪問診療での抜歯症例が急増している。訪問診療での抜歯症例の平均年齢は80.0歳(男性:390例,女性:538例)であり,65歳以上の高齢者は830例(89.4%)であった。年代別には,80歳代が394例(42.5%)と,多数を占めていた。主たる基礎疾患は,認知症(476例,51.3%)と脳梗塞(296例,31.9%)が多数を占めていた(疾患の重複症例あり)。また,訪問先の施設の症例数は,特養:336例(36.2%)と老健:181例(19.5%)が多数を占めており,居宅症例は61例(6.6%)であった。
【結語】
 近年,当院では歯科訪問診療における要介護高齢者に対する抜歯が増加している。要介護高齢者は様々な疾患を併発している場合が多く,また,歯科治療の設備のない訪問先の施設や居宅で抜歯することから,施術に際しては医科主治医や訪問する施設職員との密接な連携が必須である。さらに,歯科医師も抜歯や有病者・高齢者歯科治療に対する充分な知識や技術を有することが,安全な施術のためには必要である。