The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

連携医療・地域医療

連携医療・地域医療

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-042] 病棟歯科ラウンドの有効性に関する報告

○小関 優作1、田中 利佳1、黒木 唯文2、鳥巣 哲朗2、村田 比呂司2 (1. 長崎大学病院総合歯科診療部、2. 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科歯科補綴学分野)

【目的】
 有病者の誤嚥性肺炎や低栄養の主な原因に口腔の清掃不良や機能低下が示されている。糖尿病,心疾患,認知症等の疾患と歯周病などの歯科疾患の関係が明らかになり,早期からの口腔管理の重要性が認識されるようになってきている。しかし特定機能病院では,入院日数が短く,重度な全身疾患の対応に追われ,医科から歯科への紹介が見過ごされている場合があると考えられる。そこで当院では平成28年9月より,歯科医師が病室を訪問して歯科介入の必要性を判断する「病棟歯科ラウンド」を開始した。今回はその経過について報告する。
【方法】
 ラウンド方法は,①看護師が各病棟に配付したノートに口腔内をチェックしてほしい患者の名前,内容等を記入,②週に1回,歯科衛生士がノートの内容を確認し歯科医師へ報告,③歯科医師がカルテ情報を確認後,病室訪問し口腔内チェック,④その後の方針をノートに記入し,看護師へ伝達とした。開始から平成29年3月までの間でラウンドを実施した患者150名を対象に,診療科名,依頼理由,その後の方針について調査を行った。
【結果と考察】
 依頼が多かった診療科は血液内科,呼吸器内科,循環器内科,泌尿器科であった。理由の多くは口腔ケア関連(90件),口腔内チェック(33件)であり,その他に歯痛や脱離,義歯不適合等があった。その後の方針については,主治医の了解を得て歯科紹介となったものが53件(35.3%),すでに歯科介入中が69件,介入必要なしと判断したものが28件であった。病棟歯科ラウンド対象者の35.3%が歯科紹介になったことから,ラウンドの実施は医科歯科連携の強化につながったと考えられ,早期からの口腔管理の実現に有効であることが示唆された。