The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

連携医療・地域医療

連携医療・地域医療

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-043] 退院後に体重減少を起こした患者に対してMCTオイルを利用し栄養状態を回復させ機能改善が見られた症例

○井上 高暢1、原 豪志1,2、小林 健一郎1 (1. 東京都、2. 東京医科歯科大学高齢者歯科学分野)

【目的】
 介護度の重症化予防の観点から低栄養への対応と摂食嚥下リハビリテーション双方が重要である. 今回, 介護施設に入居している体重減少の著しい摂食嚥下障害患者に対し, 多職種連携により介入し, 栄養状態および摂食嚥下機能が改善した症例を経験したので報告する.
【症例および経過】
 87歳男性、アルツハイマー型認知症を発症している平成29年2月初診で補綴治療を行った. 当時は平成29年4月より介護老人保健施設に入所後, 同年6月に脳梗塞で入院し7月に退院したが, 61.0kgから45.9kgへと著しい体重減少およびそれに伴う筋力低下と認知機能の低下により食形態がペースト食への変更となった. 同年8月に嚥下内視鏡検査を行った後, 介護施設の管理栄養士が介入し, 食事毎に高カロリーゼリー(8月より100kcal,10月より200kcal)や, MCT(中鎖脂肪酸油)オイル(日清オイリオグループ)を11月より食事毎に小さじ1杯(5cc:45kcal)摂取してもらった.
【結果と考察】
 同年9月までは体重減少が認められたが, 摂取量の増加に伴い同年10月頃(41.7kg)より, 体重増加が見られ、11月には42.7kgとなり, 進行する体重減少を抑制することが可能であった. 中鎖脂肪酸は, 通常油脂中の長鎖脂肪酸と消化吸収性が大きく異なり, 肝臓に直接運ばれ, 素早く代謝されてエネルギー源となる. 栄養状態の改善により舌圧などの摂食嚥下機能や認知機能、覚醒状態が改善した. 介護施設において、摂食・嚥下リハビリテーションおよび, 栄養介入を行う上で管理栄養士との連携が重要であると考えられた。