The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

加齢変化・基礎研究

加齢変化・基礎研究

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-065] 代用甘味料とおからを応用した高齢者向けのソフトクッキーが齲蝕抑制に与える効果について

○三宅 晃子1、小正  聡2、中澤 悠里3、西崎 宏1、髙橋 一也4、柿本 和俊1、小正 裕1 (1. 大阪歯科大学医療保健学部、2. 大阪歯科大学欠損歯列補綴咬合学講座、3. 藤田保健衛生大学医学部歯科・口腔外科、4. 大阪歯科大学高齢者歯科学講座)

【目的】
 我々はこれまで高齢者のQOLの向上に特化した食品として非齲蝕性の代用甘味料であるマルトースを使用したクッキーの開発をこれまで行ってきた。しかし,高齢者は全身疾患を多く持っており骨粗鬆症や動脈硬化の予防作用のあるおからをクッキーに応用することとした。本研究では,我々がこれまで報告してきたマルチトール含有クッキーのデータに加え,口腔内唾液中のpHおよびエナメル質表層の石灰化程度におからの含有がどのような影響を与えるのか比較・検討を行った。
【材料と方法】
 試料には,矯正的理由により抜去された小臼歯の健全な咬合面エナメル質を用い,エナメル質表層のみを露出させた実験試料を作製した。任意の被験者にガムベースの咀嚼を指示し100mlの唾液を採取し,3本のメスシリンダーに分け,①5%スクロース添加クッキーの粉砕液を添加した唾液,②おから無添加5%マルチトール含有クッキーの粉砕液を添加した唾液,③おから添加5%マルチトール含有クッキーの粉砕液を添加した唾液,④おからを添加した唾液を作製した。それらに前述した実験試料を入れ,37℃の恒温槽内で1週間浸漬し、各種表面観察およびpHを測定した。
【結果と考察】
 各種画像解析により,スクロース添加群ではエナメル質表面に表層下脱灰を示すのに対し,他の群では変化を認めなかった。また,pHもスクロース添加群では酸性を示すのに対し,他の群ではpHの変化を認めなかった。
 以上のことから,おからを含有したクッキーのおいても抗齲蝕性を有することが明らかとなった。骨粗鬆症や動脈硬化に予防性をもつおからと代用甘味料を併用することで高齢者に優しい食品の開発の可能性が期待できる。