[認定P-36] Wallenberg症候群発症後に重度嚥下障害を呈した1症例
【緒言】
Wallenberg症候群は食道入口部開大不全などの嚥下咽頭期障害を主症状とすることが多い。今回,Wallenberg症候群発症後に,Transdisciplinary teamの一員として,歯科が介入した症例を経験したので報告する。
【症例】
70歳男性。2016年10月に右延髄外側梗塞を発症し,重度嚥下障害を呈した。他病院にてリハビリを受けるも,手術適応と判断され,当院リハビリテーション科に入院となった。初診時より嚥下チームが介入し,耳鼻科にて輪状咽頭筋切断術,喉頭挙上術が施行された。
【評価】
術後10日の評価では,RSST0回,MWST(1ml使用)1点であった。VEでは,術後の浮腫が残存しており,慢性的な唾液誤嚥を生じていた。
【経過および考察】
術後の評価より,唾液処理のためSTによる嚥下反射促通手技が開始され,歯科では肺炎予防のために口腔ケアを徹底して行った。術後30日,浮腫は改善したが,VFにてUES開大不全を認めたため,リハ医,STによるWバルーン拡張法を開始した。また,高口蓋による口腔内圧形成不全を認めたため,歯科ではPAPを作製した。術後50日,歯科でもWバルーン拡張法を開始し,患者にチューブ飲み訓練を自己訓練として指導した。術後91日,VFにてPAP装着,座位,右回旋で,3mlの薄いとろみが誤嚥なく食道入口部を通過した。しかし,唾液誤嚥を変わらず認めたため間接訓練が継続となった。術後107日,本人へシングルバルーン拡張法などの自己訓練を指導し自宅退院となった。本症例は,いまだ経口摂取に至っていないものの,急性期病院で多職種が情報を共有し,集中的に訓練を行うことで,嚥下咽頭期の改善を認めた症例である。
Wallenberg症候群は食道入口部開大不全などの嚥下咽頭期障害を主症状とすることが多い。今回,Wallenberg症候群発症後に,Transdisciplinary teamの一員として,歯科が介入した症例を経験したので報告する。
【症例】
70歳男性。2016年10月に右延髄外側梗塞を発症し,重度嚥下障害を呈した。他病院にてリハビリを受けるも,手術適応と判断され,当院リハビリテーション科に入院となった。初診時より嚥下チームが介入し,耳鼻科にて輪状咽頭筋切断術,喉頭挙上術が施行された。
【評価】
術後10日の評価では,RSST0回,MWST(1ml使用)1点であった。VEでは,術後の浮腫が残存しており,慢性的な唾液誤嚥を生じていた。
【経過および考察】
術後の評価より,唾液処理のためSTによる嚥下反射促通手技が開始され,歯科では肺炎予防のために口腔ケアを徹底して行った。術後30日,浮腫は改善したが,VFにてUES開大不全を認めたため,リハ医,STによるWバルーン拡張法を開始した。また,高口蓋による口腔内圧形成不全を認めたため,歯科ではPAPを作製した。術後50日,歯科でもWバルーン拡張法を開始し,患者にチューブ飲み訓練を自己訓練として指導した。術後91日,VFにてPAP装着,座位,右回旋で,3mlの薄いとろみが誤嚥なく食道入口部を通過した。しかし,唾液誤嚥を変わらず認めたため間接訓練が継続となった。術後107日,本人へシングルバルーン拡張法などの自己訓練を指導し自宅退院となった。本症例は,いまだ経口摂取に至っていないものの,急性期病院で多職種が情報を共有し,集中的に訓練を行うことで,嚥下咽頭期の改善を認めた症例である。