[認定P-38] 短期間に複数回肺炎を繰り返した患者への摂食嚥下指導及び歯科連携の1症例
【目的】
誤嚥性肺炎患者の肺炎再発を防ぐ為には支援が必要であり,また入院により利用していたサービスが中断する場合を認める。本症例では,肺炎の再発を防ぐとともに中断したサービスを再開できた1例について報告する。
【症例】
患者は85歳男性,在宅でADLも自立していたが小脳梗塞で入院した。4年後,誤嚥性肺炎を発症し入院を経て,在宅復帰するも,その後2ヵ月の間にさらに2回肺炎発症し,退院後,老人保健施設に入所した。在宅療養を見据え,適切な食形態を知りたいという主訴の下,訪問を行った。BMI16.6,口腔清掃状態不良,気息性嗄声,構音障害を認めた。RSST2回,VE検査で,咽頭内に少量の唾液貯留を認め,左披裂,声帯の運動不全が認められた。咽頭収縮力は弱く,刻み食は咽頭内に少量残留していた。追加嚥下や水分の交互嚥下で残留物の除去は可能であった。
【処置と経過】
一口量の調整や交互嚥下を導入し,嚥下調整食2-1から段階的に調整した。水分は早期咽頭流入防止の為,弱いとろみ付与を行った。口腔機能維持の為,舌レジスタンス訓練を行った。歯科治療,ケアは地域在宅訪問医との再連携を行った。3年の経過で,口腔機能は維持され,食形態は嚥下調整食2-1から4へと変更された。口腔清掃状態は訪問医の下で改善,維持されている。BMIは20.7まで改善した。
【結果と考察】
本症例で,摂食機能評価や指導を行ったこと,中断していた訪問歯科再開による口腔管理により3年間肺炎発症を防げている。患者が在宅復帰に際して,以前使用していたサービスが中断してしまう場合を多々認める。その際何らかのきっかけがない場合,放置されることもあり,中断したサービスを再開させることは重要である。
誤嚥性肺炎患者の肺炎再発を防ぐ為には支援が必要であり,また入院により利用していたサービスが中断する場合を認める。本症例では,肺炎の再発を防ぐとともに中断したサービスを再開できた1例について報告する。
【症例】
患者は85歳男性,在宅でADLも自立していたが小脳梗塞で入院した。4年後,誤嚥性肺炎を発症し入院を経て,在宅復帰するも,その後2ヵ月の間にさらに2回肺炎発症し,退院後,老人保健施設に入所した。在宅療養を見据え,適切な食形態を知りたいという主訴の下,訪問を行った。BMI16.6,口腔清掃状態不良,気息性嗄声,構音障害を認めた。RSST2回,VE検査で,咽頭内に少量の唾液貯留を認め,左披裂,声帯の運動不全が認められた。咽頭収縮力は弱く,刻み食は咽頭内に少量残留していた。追加嚥下や水分の交互嚥下で残留物の除去は可能であった。
【処置と経過】
一口量の調整や交互嚥下を導入し,嚥下調整食2-1から段階的に調整した。水分は早期咽頭流入防止の為,弱いとろみ付与を行った。口腔機能維持の為,舌レジスタンス訓練を行った。歯科治療,ケアは地域在宅訪問医との再連携を行った。3年の経過で,口腔機能は維持され,食形態は嚥下調整食2-1から4へと変更された。口腔清掃状態は訪問医の下で改善,維持されている。BMIは20.7まで改善した。
【結果と考察】
本症例で,摂食機能評価や指導を行ったこと,中断していた訪問歯科再開による口腔管理により3年間肺炎発症を防げている。患者が在宅復帰に際して,以前使用していたサービスが中断してしまう場合を多々認める。その際何らかのきっかけがない場合,放置されることもあり,中断したサービスを再開させることは重要である。