The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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優秀ポスター

優秀ポスター

一般部門

Fri. Jun 22, 2018 10:00 AM - 5:00 PM ポスター会場(5F講習室1) (5F 講習室1)

[優秀P一般-5] 咀嚼訓練食品の押しつぶし能力と舌圧,食形態の関連性

○中川 量晴1、松尾 浩一郎1、谷口 裕重1、岡本 美英子1、鬼頭 紀恵1、阪下 雅基2、安部 和美2 (1. 藤田保健衛生大学医学部歯科・口腔外科、2. 株式会社大塚製薬工場 OS-1事業部 MF臨床開発部 )

【目的】
 咀嚼開始食品として開発されたプロセスリード®は,規格化された一定の物性を有し,咀嚼するとまとまりやすく安全に食することができる。本研究では,プロセスリード®の規格化された物性を利用し,要介護高齢者を対象に,プロセスリード®を口腔で処理する能力と,舌圧や推奨される食形態に関連性があるか明らかにすることを目的とした。
【方法】
 高齢者福祉施設入居者74名(男性26名,女性48名,平均年齢87歳)を対象とした。プロセスリード®を舌尖部と口蓋との間で押しつぶし,その可否を判定した。厚み(重さ)は,6mm(2g),9mm(3g),18mm(6g)の3段階とした。プロセスリード®18mmを摂取したときの1回目の嚥下までの咀嚼回数を測定した。また舌圧をデジタル舌圧計(JMS社製)で測定した。食形態は5段階とし,推奨される形態を嚥下内視鏡検査で評価した。プロセスリード®を押しつぶす能力および咀嚼回数と,舌圧および食形態との相関性を統計学的に検討した。
【結果と考察】
 プロセスリード®を押しつぶせない群ほど舌圧が有意に低下していた(p<0.01)。プロセスリード®の押しつぶし能力と推奨食形態は有意な相関関係を示し(r=0.697, p<0.05),押しつぶしが困難な高齢者ほど食形態も低下していた。また,プロセスリード®を摂取してから嚥下するまでの咀嚼回数が少ない者ほど,食形態は低下していた。以上の結果より,プロセスリード®の舌での押しつぶしと咀嚼の試行により,適切な食形態を推測できる可能性が示された。今後,要介護高齢者の施設入居時の食形態評価としての有用性を検証したい。