The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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摂食機能療法専門歯科医師審査ポスター

摂食機能療法専門歯科医師審査ポスター

摂食機能療法専門歯科医師審査ポスター

Fri. Jun 22, 2018 10:00 AM - 4:30 PM ポスター会場(5F講習室4) (5F 講習室4)

[摂食P-03] 摂食嚥下リハビリテーションにより胃瘻抜去ができた球麻痺患者の1例

○廣畠 広実1,2 (1. 社会医療法人若竹会つくばセントラル病院歯科口腔外科、2. 筑波大学大学院人間総合科学研究科疾病制御医学専攻顎口腔外科学分野)

【緒言】
 中枢神経障害である延髄での病変,球麻痺では迷走神経核や舌咽神経核の障害により輪状咽頭筋の弛緩不全を生じ食道移送が困難な場合が見られる。今回他病院にて胃瘻を造設され,当院にて摂食嚥下リハビリテーションを行い嚥下機能が改善し胃瘻抜去できた症例を経験したのでその概要を報告する。
【症例および処置】
 患者は42歳男性でX-1年Y+10月1日急性大動脈解離にて他病院に緊急搬送され大動脈瘤置換術施行された。術後右上・下肢麻痺が明らかになりMRI検査にて左側延髄外側梗塞を認めWallenberg症候群と診断され嚥下障害著明なため胃瘻造設された。リハビリ目的のためX年Y月6日当院転院となり当科介入となる。Y月7日嚥下内視鏡(VE)検査施行し,嚥下反射自体は生じづらく食道入口部開大不良のため咽頭から食道へ移送ができないため直接訓練不可と診断し間接訓練を開始した。Y月14日嚥下造影(VF)検査施行しバルーン拡張法の位置確認後,右向き頸部回旋と頸部突出嚥下にて少量であるが水分食道通過が確認された。Y月15日より水分による直接訓練およびバルーン拡張法を開始した。Y+1月18日VF検査を施行し食道へ送り込み可能になりゼリー,ペーストと食形態をアップ,Y+2月11日VE検査にて刻み食形態までアップとなる。一日必要栄養量を経口摂取できるためY+2月28日胃瘻抜去を行いY+4月29日退院となった。
【結果と考察】
 本症例は胃瘻造設され栄養が確保できていたこと,バルーン拡張法や嚥下手技などを効率よく施行できたことなどが嚥下機能の改善がみられた要因と考えられた。