The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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摂食機能療法専門歯科医師審査ポスター

摂食機能療法専門歯科医師審査ポスター

摂食機能療法専門歯科医師審査ポスター

Fri. Jun 22, 2018 10:00 AM - 4:30 PM ポスター会場(5F講習室4) (5F 講習室4)

[摂食P-04] 病診連携のもとで摂食嚥下リハビリテーションを行った1例

○大岡 貴史1 (1. 明海大学歯学部機能保存回復学講座摂食嚥下リハビリテーション学分野)

【目的】
 摂食嚥下障害への対応はさまざまな症状に対して長期的なアプローチが必要であり,地域連携が不可欠な場合が多い。今回,舌癌および脳血管疾患後遺症による摂食嚥下障害に対し,地域歯科診療所と大学付属病院が共同で対応した1例を経験したので報告する。
【方法】
 65歳男性。47歳の時に舌癌にて右側半側切除し,咀嚼および嚥下困難を生じた。64歳の時に脳出血を発症し,A病院にて入院加療。その後に左側麻痺,嚥下障害,構音障害,味覚障害が生じた。8月にB病院に転院後,胃瘻造設。嚥下障害は改善したが経口摂取と経腸栄養を併用したまま自宅療養となった。食内容はペースト食、1時間以上かけて食事をしており、構音障害も残存していた。嚥下スクリーニング検査や歯科診療はかかりつけ歯科医で実施した後に嚥下機能精査のため当科を紹介された。
 かかりつけ歯科医同席のもとで行った嚥下内視鏡検査では食塊保持および形成不全を認め,嚥下前の早期咽頭流入も認められた。検査結果から準備期から口腔期障害による摂食嚥下障害と診断し,舌可動域の改善や咀嚼機能の回復が必要であると考えられた。また,食事時間が1時間以上かかり,経口摂取では栄養素の高い食事を用いて少量での栄養確保が必要と考えられ,管理栄養士による栄養指導を行った。
【結果と考察】
 間接訓練はかかりつけ歯科医にて歯科衛生士を中心として実施し,機能評価や栄養指導は大学付属病院にて定期的に行った。結果,経口摂取量の増加,経腸栄養量の減少が得られ,食内容の幅が広がったことで勤務先での食事も可能となった。一方,機能訓練のみでは舌運動や準備期障害の改善は限界に達したため,補綴的対応を開始する予定である。