[摂食P-06] 特養介護職員との協働により食形態を改善した脳梗塞後遺症患者の1例
【目的】
脳梗塞患者が退院後,介護施設に入所した場合,退院時の指示に従って食事が提供されるものの,摂食嚥下機能や食形態の再評価が行われないことも少なくない。今回,特養入所中の摂食嚥下障害患者に対し,経口摂取に関する再評価を行い,訪問歯科診療と特養介護職員との協働により食形態の改善に至った症例を経験したので報告する。
【症例】
80代女性。平成24年に脳梗塞を発症,2度の脳梗塞再発後,平成29年に特養に入所となった。食形態は退院指示通りミキサー食が提供されていたが,流涎と食べこぼしが顕著となり,主治医より当院へ訪問歯科診療が依頼された。患者は80歳に「高齢者のよい歯のコンクール」で入賞しており,欠損歯なく咬合は安定していた。嚥下スクリーニングテストを実施し,MWST 4点,FT 4点であった。機能的に誤嚥のリスクが少ないと考え,VEにて嗜好食品による評価を行ったところ,ミキサー食ではほとんど確認されなかった咀嚼運動が認められ,食塊は咽頭残留や誤嚥なく嚥下できていた。
【経過】
食形態の調整が必要と判断し,施設介護職員のサポートを依頼したが,協力が得られなかった。以後,訪問歯科診療を通し,当院STとともに摂食機能訓練を継続した。しかし,摂取量の減少,体重の減少がみられるようになったため,施設職員からの申し出で連携を検討することとなった。施設介護職員と栄養および嚥下評価・訓練を積極的に実施し,段階的に食形態のアップを行った結果,3食とも普通食での食形態に改善するに至った。
【結果と考察】
介護施設の摂食嚥下障害患者には,定期的な機能的再評価が必要である。また,継続的なサポートのためには,歯科と施設介護職員の協力が不可欠と考える。
脳梗塞患者が退院後,介護施設に入所した場合,退院時の指示に従って食事が提供されるものの,摂食嚥下機能や食形態の再評価が行われないことも少なくない。今回,特養入所中の摂食嚥下障害患者に対し,経口摂取に関する再評価を行い,訪問歯科診療と特養介護職員との協働により食形態の改善に至った症例を経験したので報告する。
【症例】
80代女性。平成24年に脳梗塞を発症,2度の脳梗塞再発後,平成29年に特養に入所となった。食形態は退院指示通りミキサー食が提供されていたが,流涎と食べこぼしが顕著となり,主治医より当院へ訪問歯科診療が依頼された。患者は80歳に「高齢者のよい歯のコンクール」で入賞しており,欠損歯なく咬合は安定していた。嚥下スクリーニングテストを実施し,MWST 4点,FT 4点であった。機能的に誤嚥のリスクが少ないと考え,VEにて嗜好食品による評価を行ったところ,ミキサー食ではほとんど確認されなかった咀嚼運動が認められ,食塊は咽頭残留や誤嚥なく嚥下できていた。
【経過】
食形態の調整が必要と判断し,施設介護職員のサポートを依頼したが,協力が得られなかった。以後,訪問歯科診療を通し,当院STとともに摂食機能訓練を継続した。しかし,摂取量の減少,体重の減少がみられるようになったため,施設職員からの申し出で連携を検討することとなった。施設介護職員と栄養および嚥下評価・訓練を積極的に実施し,段階的に食形態のアップを行った結果,3食とも普通食での食形態に改善するに至った。
【結果と考察】
介護施設の摂食嚥下障害患者には,定期的な機能的再評価が必要である。また,継続的なサポートのためには,歯科と施設介護職員の協力が不可欠と考える。