[摂食P-11] 多職種協働と歯科治療の結果,摂食機能改善し介護老人保健福祉施設から在宅復帰した症例
【目的】
介護老人保健施設は在宅復帰を目指すための施設であるが,摂食機能低下等により復帰困難な者がおり問題となっている。今回歯科医師と施設他職種との協働により,嚥下機能改善し在宅復帰可能となった症例を体験したため報告する。
【症例および処置】
75歳男性,2014年発症の脳幹・小脳梗塞の後遺症として嚥下障害,構音障害,四肢不全麻痺,小脳失調あり。リハビリ目的でH老人保健福祉施設に入所中に,嚥下機能評価依頼あり2016年5月訪問診療を開始した。移動は車いすでADLはほぼ自立。ミキサー食,水分濃いとろみで経口摂取していた。初診時VEにて現状食で誤嚥なし,水分と全粥で不顕性誤嚥が認められた。えびせんは咀嚼良好で誤嚥なしであった。まず間接訓練および咀嚼訓練としてえびせん摂取を施設の言語聴覚士に依頼した。施設職員には不顕性誤嚥への対応として食後に声出し,咳払いを指導した。
【結果と考察】
訓練継続により全粥きざみとろみ食も誤嚥なく摂取可能となった。咀嚼訓練継続していくにつれ固形物摂取の希望があがってきたが,臼歯咬合がない状態であったため義歯新製した。しばらく咀嚼訓練を継続した後,VE検査を行ったところ,軟飯軟菜食で摂取可能となった。水分誤嚥が残存していたが管理栄養士によるとろみづけの指導によって自立でとろみ水の準備が可能となった。自立でセッティング・経口摂取可能となり2017年4月自宅へ退所した。食事形態がミキサー食以下では老健施設から在宅復帰後継続が難しいと報告されており,固形物が摂取できる状態で在宅復帰させることは重要と思われる。また歯科医師だけでなく多職種が協働し患者の生活を支援できたことが機能回復へとつながったと考えられる。
介護老人保健施設は在宅復帰を目指すための施設であるが,摂食機能低下等により復帰困難な者がおり問題となっている。今回歯科医師と施設他職種との協働により,嚥下機能改善し在宅復帰可能となった症例を体験したため報告する。
【症例および処置】
75歳男性,2014年発症の脳幹・小脳梗塞の後遺症として嚥下障害,構音障害,四肢不全麻痺,小脳失調あり。リハビリ目的でH老人保健福祉施設に入所中に,嚥下機能評価依頼あり2016年5月訪問診療を開始した。移動は車いすでADLはほぼ自立。ミキサー食,水分濃いとろみで経口摂取していた。初診時VEにて現状食で誤嚥なし,水分と全粥で不顕性誤嚥が認められた。えびせんは咀嚼良好で誤嚥なしであった。まず間接訓練および咀嚼訓練としてえびせん摂取を施設の言語聴覚士に依頼した。施設職員には不顕性誤嚥への対応として食後に声出し,咳払いを指導した。
【結果と考察】
訓練継続により全粥きざみとろみ食も誤嚥なく摂取可能となった。咀嚼訓練継続していくにつれ固形物摂取の希望があがってきたが,臼歯咬合がない状態であったため義歯新製した。しばらく咀嚼訓練を継続した後,VE検査を行ったところ,軟飯軟菜食で摂取可能となった。水分誤嚥が残存していたが管理栄養士によるとろみづけの指導によって自立でとろみ水の準備が可能となった。自立でセッティング・経口摂取可能となり2017年4月自宅へ退所した。食事形態がミキサー食以下では老健施設から在宅復帰後継続が難しいと報告されており,固形物が摂取できる状態で在宅復帰させることは重要と思われる。また歯科医師だけでなく多職種が協働し患者の生活を支援できたことが機能回復へとつながったと考えられる。