[摂食P-13] 地域連携Nutrition Support Teamで対応した高齢摂食嚥下障害患者の1例
【目的】
地域連携Nutrition Support Team(NST)において対応した高齢摂食嚥下障害患者に対し,口腔衛生管理,摂食機能療法,栄養サポートを行い,栄養状態と摂食嚥下障害の改善が認められた症例を経験したので報告する。
【経過】
77歳男性。平成X年9月下顎左側臼歯部歯肉に白斑を認めたため,精査目的に当院を紹介来院。白板症の診断下に6ヵ月ごとの経過観察となった。1年後の経過観察時に中等度の嗄声,食事のむせ,最近6ヵ月間に約6kgの体重減少が認められたため,摂食嚥下障害を疑い,嚥下内視鏡検査を実施し,咽頭の知覚低下,左側声帯の萎縮を認めた。嚥下造影検査では,水分および嚥下調整食1にて嚥下中少量の誤嚥が認められたが,嚥下調整食2,3,4および,常食では誤嚥は認められなかった。脳梗塞後遺症と加齢による咽頭の知覚,運動障害が原因の摂食嚥下障害と中等度から高度の栄養障害と診断し,地域連携NSTにおいて,多職種が連携して口腔衛生管理,摂食機能療法,栄養サポートを行った。
【結果と考察】
歯科衛生士による口腔衛生指導により,口腔清掃の重要性が理解され患者のセルフケアへのモチベーションが向上し,口腔清掃状態が改善した。水分のトロミ付与と摂食機能療法により食事のむせ,痰の増加,嗄声も消失した。また管理栄養士による食事指導によって食事内容が改善し,喫食量も徐々に増加し,7ヵ月後には体重が45kgらで52kgまで増加した。その後は状態の維持を目標に2ヵ月に1回の定期受診を行い,口腔衛生管理および摂食機能療法はかかりつけ歯科医院で継続することとなった。地域連携NSTでは多職種と医療機関の情報共有と役割分担が重要であると考えられた。
地域連携Nutrition Support Team(NST)において対応した高齢摂食嚥下障害患者に対し,口腔衛生管理,摂食機能療法,栄養サポートを行い,栄養状態と摂食嚥下障害の改善が認められた症例を経験したので報告する。
【経過】
77歳男性。平成X年9月下顎左側臼歯部歯肉に白斑を認めたため,精査目的に当院を紹介来院。白板症の診断下に6ヵ月ごとの経過観察となった。1年後の経過観察時に中等度の嗄声,食事のむせ,最近6ヵ月間に約6kgの体重減少が認められたため,摂食嚥下障害を疑い,嚥下内視鏡検査を実施し,咽頭の知覚低下,左側声帯の萎縮を認めた。嚥下造影検査では,水分および嚥下調整食1にて嚥下中少量の誤嚥が認められたが,嚥下調整食2,3,4および,常食では誤嚥は認められなかった。脳梗塞後遺症と加齢による咽頭の知覚,運動障害が原因の摂食嚥下障害と中等度から高度の栄養障害と診断し,地域連携NSTにおいて,多職種が連携して口腔衛生管理,摂食機能療法,栄養サポートを行った。
【結果と考察】
歯科衛生士による口腔衛生指導により,口腔清掃の重要性が理解され患者のセルフケアへのモチベーションが向上し,口腔清掃状態が改善した。水分のトロミ付与と摂食機能療法により食事のむせ,痰の増加,嗄声も消失した。また管理栄養士による食事指導によって食事内容が改善し,喫食量も徐々に増加し,7ヵ月後には体重が45kgらで52kgまで増加した。その後は状態の維持を目標に2ヵ月に1回の定期受診を行い,口腔衛生管理および摂食機能療法はかかりつけ歯科医院で継続することとなった。地域連携NSTでは多職種と医療機関の情報共有と役割分担が重要であると考えられた。