[摂食P-15] 舌癌術後の摂食嚥下障害を有する患者に多職種協同で取り組み経管栄養離脱が可能となった1例
【目的】
舌癌術後の摂食嚥下障害を有する患者に対して多職種協同で取り組み,経管栄養離脱が可能となった症例を供覧する。
【症例】
患者は男性,67歳の時に左側舌癌に対し,A病院顎口腔外科で,気管切開術,舌亜全摘術,両側上頸部郭清術,大腿皮弁による再建術を受けた。術後に重度の嚥下障害,構音障害,肩関節筋力低下等を認め,術後5週間後から同病院リハ科で訓練開始。術後7週間後に胃瘻を造設。術後9週間後の退院時には経口から少量のゼリーやペースト食をシリンジ+チューブ等を用いて口腔期障害を代償して摂取することが可能となった。退院後に当院内科・耳鼻咽喉科を受診しST・OT訓練開始、摂取状況は変わりなし。術後4ヵ月後に義歯の作製を希望され当科受診,歯周炎およびう蝕の治療と義歯の作製を開始。術後6ヵ月後に肺炎を発症し経口摂取量が減少。術後7ヵ月後に義歯が完成。術後8ヵ月後に当科でVFを施行。その結果を基に義歯の改造によるPAP作製と訓練を行ったところ,口腔期の改善を認め,経口摂取量が増加。術後1年4ヵ月後にはA病院耳鼻科で嚥下機能改善のために輪状咽頭筋切断術と喉頭挙上術を施行し咽頭期にも改善を認め,術後1年6ヵ月後に経口からの全量摂取が可能となった。術後1年8ヵ月後には誤嚥が減少し,痰の喀出もできているから,気管カニューレを抜去し気切孔を閉鎖。肺炎の再発もない。
【まとめ】
本症例では舌癌術後の摂食嚥下障害に対してSTらによる3ヵ月間の嚥下間接・直接訓練を実施した後に歯科でのPAP作製と耳鼻科での嚥下機能改善術を実施し,経管栄養離脱が可能となった。舌の切除による器質的な摂食嚥下障害へのPAPの有用性と多職種協同の重要性を認識した。
舌癌術後の摂食嚥下障害を有する患者に対して多職種協同で取り組み,経管栄養離脱が可能となった症例を供覧する。
【症例】
患者は男性,67歳の時に左側舌癌に対し,A病院顎口腔外科で,気管切開術,舌亜全摘術,両側上頸部郭清術,大腿皮弁による再建術を受けた。術後に重度の嚥下障害,構音障害,肩関節筋力低下等を認め,術後5週間後から同病院リハ科で訓練開始。術後7週間後に胃瘻を造設。術後9週間後の退院時には経口から少量のゼリーやペースト食をシリンジ+チューブ等を用いて口腔期障害を代償して摂取することが可能となった。退院後に当院内科・耳鼻咽喉科を受診しST・OT訓練開始、摂取状況は変わりなし。術後4ヵ月後に義歯の作製を希望され当科受診,歯周炎およびう蝕の治療と義歯の作製を開始。術後6ヵ月後に肺炎を発症し経口摂取量が減少。術後7ヵ月後に義歯が完成。術後8ヵ月後に当科でVFを施行。その結果を基に義歯の改造によるPAP作製と訓練を行ったところ,口腔期の改善を認め,経口摂取量が増加。術後1年4ヵ月後にはA病院耳鼻科で嚥下機能改善のために輪状咽頭筋切断術と喉頭挙上術を施行し咽頭期にも改善を認め,術後1年6ヵ月後に経口からの全量摂取が可能となった。術後1年8ヵ月後には誤嚥が減少し,痰の喀出もできているから,気管カニューレを抜去し気切孔を閉鎖。肺炎の再発もない。
【まとめ】
本症例では舌癌術後の摂食嚥下障害に対してSTらによる3ヵ月間の嚥下間接・直接訓練を実施した後に歯科でのPAP作製と耳鼻科での嚥下機能改善術を実施し,経管栄養離脱が可能となった。舌の切除による器質的な摂食嚥下障害へのPAPの有用性と多職種協同の重要性を認識した。