[摂食P-18] 繰り返す誤嚥性肺炎に対し誤嚥防止術を受け経口摂取を継続している多系統萎縮症患者の一例
【目的】
多系統萎縮症患者には誤嚥性肺炎を繰り返す転帰をたどる場合がある。今回そのような症例に対し摂食嚥下リハの介入を行った。経口摂取への希望がとても強く,患者や家族と話し合い,繰り返す誤嚥性肺炎に対して誤嚥防止術を受け,経口摂取を継続している症例を経験したので報告する。
【症例および処置】
59歳男性。多系統萎縮症。栄養摂取は胃瘻からで,少しでも口から食べたいという主訴で当科より訪問診療による介入となった。初診時VEでは,安静時咽頭内に痰の貯留は認めなかったが,舌による送り込みは困難で食塊は誤嚥,咳嗽反射により喀出された。嚥下機能維持のため,間接訓練から摂食嚥下リハを行う計画を立案し,まずは間接訓練としてシルベスタ法を指導した。その後,間接訓練を継続し,介入3ヵ月後にとろみ水による直接訓練を開始した。胃瘻からの栄養は継続した状態で,間接訓練として呼吸リハや舌運動,直接訓練としてとろみ水の摂取を継続した。直接訓練の際は誤嚥なく摂取できるようになったが,唾液誤嚥や逆流物の誤嚥はなくならず,誤嚥性肺炎の診断で数回入院した。主治医の理解もあり,少量ずつ直接訓練は継続していた。経口摂取に対する希望は本人・家族ともに強く,直接訓練開始から1年ほどで誤嚥防止術を受けることとなった。現在は声門閉鎖術後1年ほど経過しており,胃瘻と併用して軟飯軟菜程度の食事を摂取している。
【結論】
多系統萎縮症患者には,誤嚥性肺炎を繰り返す転帰をたどる場合がある。そのような症例に対して摂食嚥下リハを行い,患者や家族の希望をよく把握して,主治医と連携を取ることにより適切な時期に誤嚥防止術に踏み切り,経口摂取を継続できる可能性があることが示唆された。
多系統萎縮症患者には誤嚥性肺炎を繰り返す転帰をたどる場合がある。今回そのような症例に対し摂食嚥下リハの介入を行った。経口摂取への希望がとても強く,患者や家族と話し合い,繰り返す誤嚥性肺炎に対して誤嚥防止術を受け,経口摂取を継続している症例を経験したので報告する。
【症例および処置】
59歳男性。多系統萎縮症。栄養摂取は胃瘻からで,少しでも口から食べたいという主訴で当科より訪問診療による介入となった。初診時VEでは,安静時咽頭内に痰の貯留は認めなかったが,舌による送り込みは困難で食塊は誤嚥,咳嗽反射により喀出された。嚥下機能維持のため,間接訓練から摂食嚥下リハを行う計画を立案し,まずは間接訓練としてシルベスタ法を指導した。その後,間接訓練を継続し,介入3ヵ月後にとろみ水による直接訓練を開始した。胃瘻からの栄養は継続した状態で,間接訓練として呼吸リハや舌運動,直接訓練としてとろみ水の摂取を継続した。直接訓練の際は誤嚥なく摂取できるようになったが,唾液誤嚥や逆流物の誤嚥はなくならず,誤嚥性肺炎の診断で数回入院した。主治医の理解もあり,少量ずつ直接訓練は継続していた。経口摂取に対する希望は本人・家族ともに強く,直接訓練開始から1年ほどで誤嚥防止術を受けることとなった。現在は声門閉鎖術後1年ほど経過しており,胃瘻と併用して軟飯軟菜程度の食事を摂取している。
【結論】
多系統萎縮症患者には,誤嚥性肺炎を繰り返す転帰をたどる場合がある。そのような症例に対して摂食嚥下リハを行い,患者や家族の希望をよく把握して,主治医と連携を取ることにより適切な時期に誤嚥防止術に踏み切り,経口摂取を継続できる可能性があることが示唆された。