[課題2-1] 大都市部在住高齢者の認知機能軽度低下に関連する口腔機能の検討
【目的】
口腔機能は,咀嚼,嚥下,発音など複数の機能から成り立っている。近年,咀嚼機能や嚥下機能と認知機能の関連が報告されているが,各機能と認知機能の関連の強さは明らかではない。認知症の前駆段階である軽度認知機能低下の状態で認知機能に影響する口腔機能が明らかとなれば,認知機能低下予防の一助となる可能性がある。そこで本研究では,軽度認知機能低下と関連する口腔機能を明らかにすることを目的とした。
【対象と方法】
来場型健診を受診した東京都板橋区在住の70歳以上でMini Mental State Examination(MMSE)23点以下の者を除く1118名(男性445名,女性673名,平均年齢77.0±4.7歳)を対象とし横断研究を行った。口腔機能の評価として咬合力,咀嚼能力,舌圧,オーラルディアドコキネシス(ODK),RSSTを測定した。認知機能評価はMMSEを実施した。その他に残存歯数,義歯の有無,握力,歩行速度,栄養状態,社会心理学的状態,全身的既往歴を調査した。認知機能と関連する口腔機能の検討のため線形重回帰分析を行い,認知機能と口腔機能との関連の方向性をパス解析で検討した(α=0.05)。
【結果と考察】
線形重回帰分析で認知機能と関連を認めた舌圧とODKを含めて,パス解析を行った。その結果,舌圧が低いほどODKが低い傾向が認められた。舌圧が低いほどMMSEが低く,ODKが低いほどMMSEが低い傾向が認められた(NFI:0.931,CFI:0.952,RMSEA:0.040)。本研究により舌圧,ODKと軽度認知機能低下との関連が示され,咀嚼,嚥下,発音など舌が関連する口腔機能が認知機能低下に影響する可能性が示された。
口腔機能は,咀嚼,嚥下,発音など複数の機能から成り立っている。近年,咀嚼機能や嚥下機能と認知機能の関連が報告されているが,各機能と認知機能の関連の強さは明らかではない。認知症の前駆段階である軽度認知機能低下の状態で認知機能に影響する口腔機能が明らかとなれば,認知機能低下予防の一助となる可能性がある。そこで本研究では,軽度認知機能低下と関連する口腔機能を明らかにすることを目的とした。
【対象と方法】
来場型健診を受診した東京都板橋区在住の70歳以上でMini Mental State Examination(MMSE)23点以下の者を除く1118名(男性445名,女性673名,平均年齢77.0±4.7歳)を対象とし横断研究を行った。口腔機能の評価として咬合力,咀嚼能力,舌圧,オーラルディアドコキネシス(ODK),RSSTを測定した。認知機能評価はMMSEを実施した。その他に残存歯数,義歯の有無,握力,歩行速度,栄養状態,社会心理学的状態,全身的既往歴を調査した。認知機能と関連する口腔機能の検討のため線形重回帰分析を行い,認知機能と口腔機能との関連の方向性をパス解析で検討した(α=0.05)。
【結果と考察】
線形重回帰分析で認知機能と関連を認めた舌圧とODKを含めて,パス解析を行った。その結果,舌圧が低いほどODKが低い傾向が認められた。舌圧が低いほどMMSEが低く,ODKが低いほどMMSEが低い傾向が認められた(NFI:0.931,CFI:0.952,RMSEA:0.040)。本研究により舌圧,ODKと軽度認知機能低下との関連が示され,咀嚼,嚥下,発音など舌が関連する口腔機能が認知機能低下に影響する可能性が示された。