[課題2-3] グミゼリー咀嚼時感応と口腔機能の変化についてー吹田研究ー
【目的】
8020運動により20歯以上を有する者の割合は,増加する一方で,「オーラルフレイル」は,自覚のないまま進行することもあり,さらに口腔機能低下症へとつながることが報告されている.本研究では,20歯以上保有者におけるグミゼリー咀嚼時感応(噛みづらさの有無)を調査し,口腔機能の変化について検討を行った.
【方法】
国立循環器病研究センター予防健診部による吹田研究参加者で,ベースライン時ならびに,フォローアップ時(4年以上経過)の歯科検診参加者のうち,臼歯部咬合支持域の減少がなく,残存歯数と機能歯数(ブリッジのポンティック,インプラント支持補綴装置を含む)ともに20歯以上有し,追跡期間中に歯数の変化がなかった376名(男性144名,女性232名,ベースライン時年齢50-79歳,平均63.0±7.6歳)を対象とした.咀嚼能率(検査用グミゼリー)と最大咬合力(デンタルプレスケール)を測定し,フォローアップ時の値とベースライン時の値の差をベースライン時の値で除し変化率とした.ベースライン時にグミゼリー咀嚼時感応を問診し,噛みづらさの有無により2群に分類し,上記項目の群間比較を行った.
【結果と考察】
噛みづらさ有の群は全体の9.3%であった.ベースライン時の各検査項目について,2群間に有意差は,認められなかった.一方,フォローアップ時咀嚼能率については,両群とも低下しており,噛みづらさ有の群は,無の群と比較して有意に低く,咀嚼能率変化率も有意に大きかった.最大咬合力については,両群とも低下していたが,2群間に有意差は認められなかった.以上の結果より,グミゼリー咀嚼時の噛みづらさは,咀嚼能率低下の予兆となる可能性が示唆された.
8020運動により20歯以上を有する者の割合は,増加する一方で,「オーラルフレイル」は,自覚のないまま進行することもあり,さらに口腔機能低下症へとつながることが報告されている.本研究では,20歯以上保有者におけるグミゼリー咀嚼時感応(噛みづらさの有無)を調査し,口腔機能の変化について検討を行った.
【方法】
国立循環器病研究センター予防健診部による吹田研究参加者で,ベースライン時ならびに,フォローアップ時(4年以上経過)の歯科検診参加者のうち,臼歯部咬合支持域の減少がなく,残存歯数と機能歯数(ブリッジのポンティック,インプラント支持補綴装置を含む)ともに20歯以上有し,追跡期間中に歯数の変化がなかった376名(男性144名,女性232名,ベースライン時年齢50-79歳,平均63.0±7.6歳)を対象とした.咀嚼能率(検査用グミゼリー)と最大咬合力(デンタルプレスケール)を測定し,フォローアップ時の値とベースライン時の値の差をベースライン時の値で除し変化率とした.ベースライン時にグミゼリー咀嚼時感応を問診し,噛みづらさの有無により2群に分類し,上記項目の群間比較を行った.
【結果と考察】
噛みづらさ有の群は全体の9.3%であった.ベースライン時の各検査項目について,2群間に有意差は,認められなかった.一方,フォローアップ時咀嚼能率については,両群とも低下しており,噛みづらさ有の群は,無の群と比較して有意に低く,咀嚼能率変化率も有意に大きかった.最大咬合力については,両群とも低下していたが,2群間に有意差は認められなかった.以上の結果より,グミゼリー咀嚼時の噛みづらさは,咀嚼能率低下の予兆となる可能性が示唆された.